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No side
家入「珍しいこともあるもんだね。アンタが桃奈の誘い受けるなんて」
揶揄うように言った家入の視線の先には、とても機嫌が良いようには見えない___というか誰が見ても話し掛けようとは絶対思えない様な負の雰囲気を纏った五条がいる。
蓬「…硝子、私が毎回断られてるみたいな言い方やめて?」
家入「え?毎回断られてんじゃないの?桃奈」
蓬「百回に一回くらいはOKくれるよ」
家入「百回も誘う桃奈が凄い」
“メンタル強いなー”と感心する家入と、言葉の代わりに誇らしげな表情をする蓬には目もくれず、五条はただスマホを弄っていた。
家入「Aからの連絡でも待ってんの?」
五条「悪い?」
それが居酒屋に来てからの五条の第一声。
家入「悪いなんか一言も言ってないだろ。…ただここに来る前に五条が言ってたことが事実なら、今頃夏油と宜しくやってんでしょ」
この件に関して家入や蓬は完全に部外者である為、彼女がどう言おうと五条は気にしない筈だったし、気にするようなことを言われるとも思っていなかった。
しかし、家入のこの一言はただでさえ機嫌が悪い五条の気分を最悪にするには十分すぎて。
五条「全人類死ねばいい。いっそ殺し回ってやろうか」
蓬「悟のは冗談に聞こえないからやめてほしい。あと全人類巻き込まないでよ。如月さんと夏油君だけにして」
全人類にとっちゃ大迷惑もいいところである。
五条「…チッ。仮にも結婚することが決まってる相手がいんのに他の男とキスするとかマジクソ女」
とは言いつつも、五条は如月からの連絡が来ないものかと、さっきからスマホのメール受信画面を開いては親指で上から下にフリックしている。
五条悟は如月と夏油がキスしたと思い込んでいた。
実際、彼がいた角度からはそういう風にしか見えなかったのだから仕方ないと言えば仕方ないが。
それでもこれは大きな勘違い。
五条は自分の思い込みが間違っているとは露程も思っておらず、それどころか彼の中では既に思い込みから真実になりかけていた。
五条「あー…ムカつく。ムカつきすぎて今日はお酒飲めるかもしれない」
家入「下戸が何言ってんの」
五条「下戸ってなんだっけ」
蓬「そこまでくると重症だよ、悟」
五条「……二人の関係を応援出来るほど、俺は性格良くねーんだよ」
その呟きは誰にも聞こえない。
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chiaki0708(プロフ) - テンポよく最後まで楽しく読みきれました!!また作者さんの違う作品も見に行きます! (2022年1月9日 9時) (レス) @page39 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
七不思議零番たんでち - 作者さん!!!!これは御願いなのでやらなくてもいいんですが… 後日談(仲良し一年ズも出てくる)つくってほしいです!!!! 素晴らしい作品をありがとうございました!!!! (2021年4月3日 3時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
柿助 - 完結おめでとうございます!作者様が書く夏油の切なげな恋が大好きでした!お疲れ様でした! (2021年3月31日 7時) (レス) id: fedb05499d (このIDを非表示/違反報告)
るーり - 完結おめでとうございます!なんだか、とても楽しめるお話でした!!作者様、最高!!! (2021年3月22日 14時) (レス) id: 7ac2a7ec47 (このIDを非表示/違反報告)
宮夢(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした!次回作も楽しみにしています! (2021年3月21日 15時) (レス) id: 84aaee8034 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月24日 18時