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2018年___3月
目を開ければそこは私が死んだ場所。
(私としたことがミスったね)
『ミスったって何を？！』
先程の痛みが嘘のようになくなっていて、外傷も見当たらないから上手くいったのかと思った矢先の彼の言葉。
(時間をロスしてしまった。ここは君が死んでから十年後の世界だよ)
『はぁぁぁぁあ！？』
生き返りどころかタイムスリップまで経験してしまったというのか私は。
(あと重要な条件を言い忘れていたんだけど…聞く？)
『お前…巫山戯んなよ…後出ししてんじゃねぇよ。祓うぞ』
(嫌だなぁ…許しておくれよ。一応命の恩人…いや恩霊？なのだから)
脳内に響く楽しそうな声に舌打ちを零してからその条件は一体なんなのか聞く。
(もし仮に誰かが君のことを思い出したとしよう。その時君は死ぬ)
『………』
(誰かが君を思い出した瞬間、君は世界に認識されることになる。そして再び生死の概念が生まれてしまう。死んだ人間は生き返らないからね)
『ほんっとに重要なことを今更言いやがって。これだから呪霊はタチが悪い』
(だから私はただの呪霊じゃないんだって)
私にとって…というか彼以外にとっては普通の呪霊なのだ。
呪いの王と呼ばれる両面宿儺と比べたら、強くないどころか、天と地の差くらいある。
契約者の私以外には声も聞こえない。
普通の呪霊にすら及ばない程度の力しか彼___タナスは持っていない。
(私はこれから暫く黙っていることにするよ。疲れたし、何より君の二度目の人生を傍観するというのも面白そうだから)
『アンタと普通の呪霊が違うとするならそういうとこだよ』
彼が何の呪いなのか…何が元で生まれた呪霊なのか私は知っている。
サルガタナス___ヨーロッパの言い伝えに出てくる悪魔の一人。
その悪魔に対する恐怖から生まれたのがタナスであるが、日本でその悪魔を知っている者は少ない故に、彼はあまり力を持っていない。
なのに私の存在を世界から消すなんてことが出来てしまうから輪禍家は古くから彼と契約し、その力を抑えてきたんだろうなと今更理解した。
『十年後ってことは今は２０１８年か』
もしアイツが生きてなかったらどうしよう…なんて一抹の不安を抱えながら私は高専を目指した。
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緋雪(プロフ) - 大好き過ぎて定期的に見てます泣泣泣 (2023年3月30日 3時) (
レス) @page32 id: 44bf006712 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 刹葉さんの作品大好きです！！以前のぶりっ子のお話もとっても好きでしたが、今回のお話の五条先生もとっても好きでした！！ (2022年2月10日 18時) (レス) @page32 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
jyjy - ガチ泣きしました…… すっかり作者様のファンです！ (2022年1月29日 19時) (レス) @page32 id: 2ce4079fbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました…。感動しすぎて。作者様は本当に神ですね。どの作品も本当に面白いです！これからも頑張ってください！ (2021年7月21日 3時) (レス) id: d69ff754f7 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 泣いてしまいました…！ 続編が欲しいと思うのは私だけではないはず！ (2021年3月21日 18時) (レス) id: 2fea210edb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹葉
| 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時：2021年2月23日 13時
