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五条「A。もう二時間経つけどまだ言わないの?」
『だから特に理由はないって言ってんじゃないですか。悟ぱいせん』
虎杖君___悠仁が高専の生徒になるべくして東京に来た日、私は悟に尋問されていた。
どうして有限呪術の使い手であることを言わなかったのかという問いに対して、私は“理由はないです”と答えたというのに、納得がいかなかったらしい悟は二時間経った今も私の目の前で足を組んでいるのである。
五条「理由がないならなんで聞いた時に言わなかったの?有限呪術の使い手がどれだけ希少な存在か分かってる?今までの記録上、有限呪術を使えたのは君を含めて三人だけだ」
『希少ってだけで強いってわけではないじゃないですか。だからいいかなぁって』
五条「全然良くないよ。有限呪術のことを言ってくれてたら君が輪禍家の血筋であることを証明出来た」
『それ意味ないでしょう。輪禍家の人間は私の存在を認めない』
お父さんもお母さんも私のことなんて覚えていない。
自分達に娘がいたこと自体忘れてるんだから。
五条「いいや。認めざるを得ないよ。有限呪術は輪禍の血筋の人間にしか扱えない」
『じゃあ謝りますよ。謝りますから尋問辞めにしましょ』
五条「……僕さ、根に持つタイプの人間なんだよね」
『はい?』
五条「僕の決め台詞取ったこと許してないよ?許す気もない」
…決め台詞如きで…?とか言ったら余計に機嫌を損ねてしまいそうだから心にしまっとこう。
五条「だからちょっとした嫌がらせを用意しました」
悟は足元にあった黒い箱を机の上に乗せて、私が瞬きした瞬間勢いよくそれを開けた。
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!???』
箱から勢いよく飛び出してくるそれらに私は叫ばずにはいられず。
五条「A、コオロギ大好きでしょ?」
『大っ嫌いだわ、バカ!!死ね!!【この場にいるコオロギ−300!!】』
自分が有限呪術持ちで良かったなんて心の底から思えたのは今が初めてかもしれない。
あんな大量のコオロギどこで仕入れたの。
……ってあれ?
そこで私は気付いてしまって。
『…なんで私がコオロギ嫌いだって知ってんですか…?教えたことないですよね?』
私がコオロギ嫌いだって教えたのは学生の時だよ?悟。
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緋雪(プロフ) - 大好き過ぎて定期的に見てます泣泣泣 (2023年3月30日 3時) (レス) @page32 id: 44bf006712 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 刹葉さんの作品大好きです!!以前のぶりっ子のお話もとっても好きでしたが、今回のお話の五条先生もとっても好きでした!! (2022年2月10日 18時) (レス) @page32 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
jyjy - ガチ泣きしました…… すっかり作者様のファンです! (2022年1月29日 19時) (レス) @page32 id: 2ce4079fbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました…。感動しすぎて。作者様は本当に神ですね。どの作品も本当に面白いです!これからも頑張ってください! (2021年7月21日 3時) (レス) id: d69ff754f7 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 泣いてしまいました…! 続編が欲しいと思うのは私だけではないはず! (2021年3月21日 18時) (レス) id: 2fea210edb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2021年2月23日 13時