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いつもの7人揃っての食卓にAが加わった。Aが来てから初めての光景。みんなに受け入れられたみたいで嬉しい。
Aはミルクを飲みながら俺らの話を聞いている。今日一日でメンバーとも多少は打ち解けたようで、皆もAの話に耳を傾けてくれている。
夕飯も食べ終わり、あとは各自のフリータイムになった。各々自室に行ったり、風呂に行ったりしてリビングには俺とA、今日の洗い物担当になったジョングガだけになった。
Aのソファの近くにクッションを持っていき、二人で並んだ。
「ねぇA、Aは皆と仲良くしたい?」
ポロっとでた疑問。今日見てたらAはメンバーと良好な関係を築こうとしているようだった。
もちろんそれはいいことだし、俺としてもありがたいことだった。でも少しモヤモヤする。
Aは俺のでしょ?なんでわざわざ他に好かれようとするの?
でもメンバーにAを嫌ってほしくない。どっちも俺の大切な存在だから。
まったく以て矛盾した考え。
「そうね...なるべく仲良くしたいわ。
あの人達ね、テヒョンのこといろいろ教えてくれるのよ。テヒョンの癖とか昔のエピソードとか、私の知らないテヒョンを教えてくれるの。
あと、私があの人達に素っ気ない態度とるとテヒョンが悲しそうな、怒ったような顔をするのよ。自分で気づいてた?あの人達はテヒョンにとって大切な人達なのね。
だから、あの人達とは出来るだけ仲良くしたいの。でもテヒョンが嫌ならやめるわ。
だって私の世界はあなたで出来ているから。テヒョンさえいれば他は何も要らないのよ。」
そう言って俺の手を握って微笑んだA。
俺が欲しかった答え。これが聞けただけで十分だ。
嫌われてほしくない、でも俺以外を見ないでほしい。
ははっ、俺ってこんなに面倒くさい性格だったっけ?
「ありがとうA。みんなと仲良くなってくれたら俺嬉しいよ。
ただ、これだけ約束して?
俺だけ見てて。俺以外に好きって言わないで。俺だけを愛して?」
「もちろんよ。私にはあなたしかいないんだもの。
あなた以外を愛するなんてありえないわ。
テヒョンも絶対に私を捨てないって約束してね?愛してくれないと私、枯れちゃうわ。」
俺がAを捨てる?そんなことはありえない。するはずがない。
だってAは俺の、俺だけの天使なんだから。
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作者名:間宮るぎ | 作成日時:2021年7月25日 16時