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あれからずっとテレビに張り付いて画面の中の俺らを見てる。いや、テヒョンを見てるのか。
1本見終わると 他にはないの?とまたキラキラの目を向けてくるからもう1つ持ってきてつけといた。
Aがもう1つの方にも釘付けになっているとき玄関から音がした。
買い物班が帰ってきたみたいだ。
ドタバタと足音が聞こえる。
「Aーー!ただいま!いい子にしてたー?」
「テヒョン!私ね今あなたのこと見てたのよ!本当に素敵ね!」
ん?と首を傾げながらも嬉しそうにAを抱き上げるテヒョンに補足しておく。
「そいつ今日ライブ映像見てたんだよ。アイドルしてるテヒョンアを見たかったんだと。
あと、別に"いい子"ではなかったぞ。出したミルクには手をつけてないし態度が生意気だった。」
「えぇー、Aライブ見たの?俺かっこよかった?」
「もちろん!2つ見たけどどちらもかっこよかったわ!」
「嬉しいー!あ、でもなんでミルク飲まなかったの?ユンギヒョン達にも迷惑かけて…。」
テヒョンにそう言われてあからさまにしょんぼりするAを見て
「あー…大丈夫だよ、迷惑なんかかけられてないよ。」
と助け舟を出したのはナムジュナ。
「テヒョンアしか見てなかったにしてもあんなにライブ釘付けで見てくれてるの嬉しかったし、
ミルクのことも、たぶんテヒョンアからもらいたかったから飲まなかったんだと思うよ。」
ね?とAに目配せをする。Aもそれを見てコク、と控えめに頷く。
そうなの?とテヒョンが言葉を紡ごうとしたとき玄関から
テヒョンアーー、荷物運べーー!と声が聞こえてテヒョンが部屋から出ていった。
「あの、今日は叩いてごめんなさい。
それと、テヒョンはもちろんだけどあなた達もかっこよかったわ。
また、見せてもらってもいい?」
てこてこと俺達3人の方に来て、それだけ言うとドレスの裾を握って少し俯いた。
テヒョンに怒られかけたところをナムジュナが助けたことが効果的だったらしい。だいぶしおらしくなった。
「あぁ。またお前の世話頼まれたら違うの見せてやるよ。」
そう言うと嬉しそうに ありがとう、と笑ってテヒョンがいるであろう玄関に向かっていったA。
静かになったリビングで3人の声が揃った。
『キヨウォ…。』
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作者名:間宮るぎ | 作成日時:2021年7月25日 16時