�� - 005 他人の欠点は大きく見える ページ42
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「
此度の最終選別。開始より七日が経過した。現在は太陽が昇ったばかりの早朝である。影の色も浅いそんな時刻。七日前の物よりかなり柔らかな影ではあったが、その数はひとつとして欠けていなかった。
つまり全員が生きて最終選別最終日を迎え、藤の花が狂い咲くこの安全地帯へ辿り着いたのだ。
「………………すげぇ」
燐野は丸く見開いた目をそのままにAを見やった。
彼女は視線を右から左へ、左から右へずらしては頷き瞬きをしていた。何人残ったのか数えているのだろう。やがて口角が和らいだ。よかった。と呟いて肩の力を抜く。
(かわっ……いらしい)
燐野はまた真っ赤になって両手で顔を覆った。
こいつはもう駄目だ。
「お帰りなさいませ」
「おめでとうございます。ご無事で何よりです」
初日に出会った幼子二人があの時と変わらぬ声色と間隔をあけて言葉を流した。
ほぼ全員が縋るような目でAを見ていたのが、幼子に向けられる。二人はどこかに視線を固定させて鬼殺隊入隊においての説明を始めた。
ようやく本当の休息だ。とAが胸の辺りに手を置いた。その時だった。
「産屋敷のお嬢様。お坊ちゃま。ご説明仰せのところ大変差し出がましく、申し訳ないとは承知しておりますがどうかご容赦を」
「んぐ！？」
何処からか威圧的な声が飛び入り、燐野が目を剥いて青ざめる。
Aが首を傾げると同時に西洋産の靴音が響く。カツカツ、と光沢のある革靴が現れる。燐野を心配する暇を摘み取られ、目も奪われた。
幼子二人の前に立った男は上品なネクタイを締め、清潔感溢れるワイシャツの上から漆黒のスーツ、更にインバネスコートを着込んでいた。ぱっと出た印象的には富裕な人。という感じだった。
「小生の個人的見解として──今現在ここに居る者は一人残らず不合格とするべきかと」
「なっ何言ってんだアン」
ギロッ。ギィロッ！ 無茶苦茶なことを言うなと不満そうな長髪の少年が抗議の声を上げかけたが、富裕そうな男が睨み、何故か燐野もやめとけやめとけ！ と叫びたげな目で睨んだ。
少年はたちまち勢いを殺し「す、すみません……」と頭を下げた。
小物に構って時間の無駄だった。という愚痴がありありと込められた溜息を吐くと男は腰に手を当て、骨張った右手でAを指さした。
「特に際立って紅の手前。もう一度最終選別をやり直しなさい。無論一人で。だ」
「は？」
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ミルクリ - 初めまして。とても面白かったです。続きが読みたいのですが�兇離僖好錙璽匹魘気┐討い燭世韻泙擦鵑�？これからも応援しております。 (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 9baecbdda2 (このIDを非表示/違反報告)
コア - 面白かったです �兇離僖好錙璽俵気┐督困韻襪藩�難いです (2021年6月29日 20時) (レス) id: cdf587c2d2 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - すごく面白くて一気に読んでしまいました！！！続きのパスワードって教えてもらえますかね？これからも頑張ってください (2021年5月14日 22時) (レス) id: 6a10e782a2 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おもしろくてとまらなくなりました！守護聖人IIのパスワード教えていただきたいです！ (2020年12月15日 20時) (レス) id: 833cf0aedc (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 楓さん» 楓さん、コメントありがとうございます！ひえ〜嬉し過ぎます…！そんな風に言っていただけて後衛の極みです〜！長編が好きなものでこの守護聖人も他作品もすごく長いですが楽しんで頂けたらと思います！短編もあるので宜しければ覗いて行って下さい〜 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2019年10月25日 13時
