７２◆気まずい朝 ページ12
俺がこの家に入ったのは初めてだ。
柊のらしき部屋をそろそろと出て、
勘でリビングっぽいドアを恐る恐る開けると、
「ねぇ、いい年してホント何やってんの？！」
気配で気づかれたのか、
ソッコーで美雪の声が飛んできた。
「いや、ちょ、待てって。
俺も何が何だか…」
「何が何だかじゃないよね、
あんなベロンベロンで真夜中に電話してきて！」
「え、マジで？」
「今お前んちのマンションの下ぁーって、
どこの怪談かと思ったじゃない」
「うっそ」
全く記憶にない。
つうか慶太と一緒にかはともかく、
酒を飲んでたのは夢じゃなかったってことか？
「こんなことで嘘なんかつきませんー」
「いやマジでほんと申し訳ない…」
「まったくもう。
ホント重くて大変だったんだからね、うちまで運ぶの」
柊がいたからまだよかったけど。
そうボヤくと美雪はやれやれとわざとらしく腰を叩き、
はーっとため息をついた。
「もういいから。
…ほら、とりあえずそこ座って」
「はい…」
「なにか食べる？
柊のお弁当の残りとかだけど」
「あー…っと、じゃあ味噌汁だけ、」
「だよね、だって絶対二日酔いでしょその顔」
容赦ない呆れ顔で食い気味に言い、
美雪がキッチンでくるくると動き回る。
ペットボトルの水を少しずつ飲みながら、
俺はその光景をぼんやり眺めていた。
「あ、そういえばサクショウ仕事は？」
「ん？ …ああ。えーっと、今日はオフ」
「そう」
「美雪は？」
「行くよ。遅くなるってもう連絡したけど」
「え？」
「だって…」
自分の分の朝食と俺の味噌汁をテーブルに置き、
美雪が初めて心配そうに眉を寄せた。
「なにか話したくて来たんでしょ？」
「え…」
箸置きと箸を並べ、
熱いお茶を淹れ終えると、
「慶太に会いたいって。
サクショウずっとそう言って泣いてたよ」
向かい側に座りながら、
美雪がポツリと言った。
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薫子(プロフ) - ゆきままさん» ２に続き３にもコメントいただきありがとうございます(^^) スノードームはずっと活躍させたかったアイテムなのでやっと使えて私も嬉しいです。最終章を先ほどアップしましたのでまたお楽しみいただけたら幸いです！良かったらまたご感想などお寄せ下さいませ(^^) (2020年1月12日 9時) (
レス) id: aa5d845008 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきまま - はじめまして、いつも楽しみにしております。スノードーム！ベストアイテムですね、さすがです。路地裏も最強ですね。次回も楽しみにしております。 (2020年1月12日 4時) (レス) id: 6749c8d29b (このIDを非表示/違反報告)
薫子(プロフ) - さやさん» こんばんは(^^) そうなんです☆翔ちゃんのコレクションを見たのが18話、その後46話で証言が出ていた『買いたいものもあるし』の対象もスノードームでした。やっとこさ伏線回収できてホッとしてます(笑) 続きもよろしくお願いします！ (2020年1月11日 20時) (レス) id: aa5d845008 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 薫子様！もうすぐｺｺも佳境ですね。記憶のｷｰﾊﾟｰｿﾝがｽﾉｰﾄﾞｰﾑってのに流石だなぁと感心です!!!!!さて物語流れますね。続きも楽しみです！変なﾀｲﾐﾝｸﾞでｺﾒ入れちゃいました(^^; (2020年1月11日 16時) (レス) id: 4ca326b9cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2019年12月6日 8時
