しがらみ ページ25
池に反射している放課後の空を眺めながら思う
四十九院千景が羨ましい
自分で作った人格に嫉妬するなんて
情けない話だけど
羨ましかった
こんなにも思ってくれる人達が居て
自分の為に何かをしてくれる人が居て
心底羨ましい
私もそんな風にされたい
顔を少し覗き込んで、四十九院千景の顔を見る
今までこんな事は思ったことがなかった
とても不思議な気分だ
でも一つ
ずっと思い続けてる事がある
『……私を…見て…』
四十九院千景でもなく、莇の然憮でもなく
殺戮の姫でもなく
真霧Aというそのものを
苦しい
演技をする事が苦しいなんて
思ったこと無かったのに
むしろ好都合で楽だったのに
なんで今更、
こう思うようになったんだろう
自分の中で色々矛盾が生じていた
私を見ないで
私を知らないで
私を恐れて
私に近づかないで
私に介入してこないで
それと反対に
私を見て
私を知って
私を愛して
私に教えて
私の心を見て
そう思ってる自分
まるで二重人格者のよう
どうしたらいいの?
この感情の対処法は知らない
ずっと前から自分の中にあったしがらみが
更に自分を締め付ける
どんどんと苦しくなっていく胸
息が段々とできなくなっていった
「おい!大丈夫か!?」
駆けつけて優しく背中を撫でてくれたのは
食満先輩だった
留「大丈夫だ、落ち着け…そう、ゆっくり深呼吸だ…」
先輩のおかげで何とか過呼吸は収まった
『すいません先輩…ありがとうございます』
留「大丈夫だ…何かあったのか?」
先輩は隣に腰をかけた
『大丈夫です…少し自分と向き合ってたというか…』
留「そうか……何か力に慣れる事はあるか?」
『え』
留「俺はお前の先輩だ、なんでもいい、言ってみろ」
肩をポンッと叩かれると、突然カーンカーンと鐘が鳴った
放課後の鐘はさっき鳴ったばかりだ
留「なんだ…放課後の鐘ならさっき鳴ったぞ…」
胸騒ぎがした
『先輩……』
私が立ち上がると先輩も立ち上がった
留「ああ…嫌な予感がする」
山「ここに居たか!!」
山田先生が駆けつけてきた
留「山田先生!」
山「お前達、早く準備をしろ!!」
『え?』
留「先生!一体何が!」
山「ドクタケ忍者隊が山賊を引き連れて忍術学園に近づいていている!」
留『「ッ!!!」』
山賊…………
山「敵襲だ!急げ!!」
山田先生は物凄い速さで門の方へ向かった
留「俺達も急ぐぞ!!」
『はい!!』
平常を保てるだろうか
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ねこさん - 雷蔵オチ。いい!!「これでもドクタケ忍者隊忍び組頭」で会いましょう!!…えっとー たしか、「美少女は食人」でしたっけ?いいと思いますよ! (2021年9月24日 18時) (レス) @page36 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
リング(プロフ) - ねこさんさん» いつもコメントありがとうございます!是非!! (2021年9月10日 19時) (レス) id: 4477b9e623 (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん - 新しい作品読んでみますッ!!これからも頑張ってください!!!アッ お鍋を想像したらおなか減った。おいしそー!!! (2021年9月10日 13時) (レス) id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
リング(プロフ) - ねこさんさん» コメントありがとうございます!もしかして続き待ってくれていたり…?更新遅くなりすみません!!ストーリーの展開に手こずりました汗、この作品、いきなりシリアスだったり突然ギャグになったりとかなり波が激しいので落っこちないようご注意ください←? (2021年9月8日 14時) (レス) id: 4477b9e623 (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん - よしっ 続きが出たッ おもろい!!ほのぼのしてるッ!!これからも頑張ってください!!!! (2021年9月7日 12時) (レス) id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リング | 作成日時:2021年3月13日 13時