〔RKRN〕三つの名を持つ者-第三弾-

フラッシュバック ページ15

私は雷蔵の腕の中で子供のように泣いた


声を小さくしようとしても抑えられない


涙を止めようとしてもさらに溢れ出てしまう


泣いたのなんて、いつぶりだろう


……あの時


全てを失った時だ


雷「辛かったね……千景は………………Aは、ずっと耐えてきたんだね…………もう大丈夫だよ……僕がいるから…」ｷﾞｭｯ


ああやめてよ


その暖かくて優しい言葉で更に涙が溢れ出した


もう止まらない


私は雷蔵に答えるように抱き返してギャンギャン泣いた


雷蔵の腕がトントンと優しく背中を叩く



〔大丈夫よA、大丈夫〕ﾄﾝﾄﾝ



ｯ＿＿＿!!!!!!



ﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝ


息が苦しくなる


『ﾊｧ……ﾊｧ…………ﾊｧ…』


雷「A？」


『ﾊｧ……ﾊｧ…!!…ﾊｧ…………』





〔お゛がぁ゛ーざーん゛！！〕
〔あらあら、どうしたの？そんなに泣いて〕
〔おねーちゃんね、さっきころんじゃったの、それでね、おねーちゃんいたいいたいって…〕
〔あらまぁ、少し擦りむいてるわね…少し痛むわよ〕
〔痛い゛！！…うぇぇぇん！！！〕
〔…………はい、もう大丈夫よ、よしよし痛かったね…大丈夫よA、大丈夫〕ﾄﾝﾄﾝ
〔おねーちゃん……だいじょーぶ…？〕ｳﾙｳﾙ
〔あら、もう笑2人して泣かないの笑〕





雷「……！…千景ｯ!!!」


『ｯ…!!!!!』


雷「大丈夫？…具合悪い？」


『……大丈夫だ…』ﾀﾞｯ


雷「あ！千景！！」


急いで下に降りて部屋に向かった


その途中で誰かに声をかけられたが、今は冷静でいられない


取り乱しながら部屋に閉じこもった


『ﾊｧ……ﾊｧ……ﾊｧ……』


心臓を抑えながら息を整える


未だにバクバクとなっている心臓


頭がヒヤッとする


『ﾊｧ……ｸｯ……ｸﾞｽｯ…』


また涙が溢れてきた


本当にどうしたのか


今の自分がどうなっているのか分からない


何とか理解しようとしている時


ｽｯと襖が空いた


慌てて顔を下に向けた


兵「千景〜、いるのか〜？ちょっと教えてもらいたい事が……って千景！？どうしたのだ！？！？」


兵助が慌てて私の元に駆け寄ってきた


『ｯ……なんでもない』


兵「なんでもなくないだろ！？一体何があったのだ？」


『なんでもないんだ…頼む、今は1人にしてくれ…』


兵「でも……」


『頼む』


兵「…………わかった」


ﾀｯﾀｯﾀ


ｽｰｯ


『ｯ……ﾋｸﾞｯ……ﾊｧｧ､…ｯｸﾞｽ……』


ごめん、兵助

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