〔RKRN〕三つの名を持つ者-第三弾-

気まずい空気 ページ12

雷「保健室に行ったら、千景居なくてさ…あちこち探し回ったよ」


よいしょと言って上がってきた雷蔵の体は包帯だらけだった


こんなに怪我をおわせてしまったのか


自分のした事に今頃罪悪感が募る


雷「わぁ〜…ここからの景色綺麗だね〜」


『……そうだね』


雷「…………」


『…………』


はぁ……気まずい


こうゆう時はどうしたらいい


このまま黙ってるか？


嫌でも怪我をおわせたことを謝りたい


でもこの空気でそれを言う勇気が今は出ない


どうしたら……


雷「千景」


『ｯ……なんだ』


雷「僕が勝ったから、僕との約束…ちゃんとしてくれる？」


『………ああ、約束は守る』


暗殺者を辞めるとなると、稼ぎは低くなる


でも忍者にはその他に色んな分類がある


まだこの世界で生きていける


だからちゃんと守るよ


雷「そっか……僕さ、暗殺者の時の千景が…その…凄く苦しそうに見えたんだ……余裕そうな表情を表面では出しているけど…知ってた？人の目って偽れないって」


『……』


雷「僕には千景の目がとても苦しそうに見えた…助けたいって思った……なんでそんなに苦しそうなのかも、知りたくなった…………だから僕は千景に賭けを提案したんだ」


『……そうか』


雷「ねぇ…我儘ってわかってるけど、僕の勝利の権利でさ、もう1つお願い聞いてもらっても…いい？」


『それならまた勝負だな』


雷「ははは笑…やっぱ無理だよね…」


少ししょんぼりして雷蔵が言う


雷蔵の聞いて欲しい願いはあれだろ


なぜ苦しそうなのか


私のことを知ってどうするんだ


いつもの私ならこう思う


でも何故だろう


なぜか君になら、知って欲しいと思える


過去のことを


偽りでない本当の私を


なぜこう思うのかは分からない


まるで本能がそう叫んでいるかのようだった


『……冗談だ、いいぞ、聞いてやる』


雷「ｯ!ホント、？」


『ああ』


じゃあ…と雷蔵は真剣な顔をして予想通りの言葉を言った


雷「どうして千景は、苦しそうな目をしているの？」


知って欲しい……でも怖い


その感情が渦をまくように絡み合う


怖さを抱きながらも、私は話した


『今から言うことは、雷蔵にとって…いや、この学園のみんなも驚くだろう』


雷「…」


『雷蔵、まず最初に俺の正体を教えよう



俺は










私の本当の名前は、真霧A……今はなき真霧村の姫であり……女だ 』

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