敬語系実況者【最終兵器俺達】

3.優し過ぎる性格 ページ6

・フジ







人形に追いかけられるホラーゲームと睨めっこして3分位。やっぱり、誰か呼んで実況しよう。そう思い立ってからスマホの画面に並んだ文字はA。





時間は夜の7時、普通に考えたら呼ぶ時間じゃないけど、普段から普通に呼んでは、実況したりゲームしたり色々やったり。取り敢えず電話じゃなくてLINEで連絡する事に。





文字を打とうとしたら、物音がしてビクッと体を震わせた。





ﾌｼﾞ「……えっ、何の音」




俺は少し早くなった心臓を落ち着かせる様に、AにLINEを打つ。





人形のゲーム撮るから来て欲しい、来てお願い。




打った後に気付いた、この文章おかしい。俺焦って何書いてんの、そう思って消そうと思ったが既に既読になっていて、電話が鳴った。




ﾌｼﾞ「もしもし、A？」



『もしもし、フジさんどうしました？』



ﾌｼﾞ「あのーホラーゲーム撮りたいなーって思ったんだけどさ、一緒に撮らない？」



『良いですよ！ 今から向かいますね』





ぷつっと切れた電話、すぐに了承してくれるなんて優し過ぎるでしょ。まぁ、Aが優しいのは昔からなんだけど。






少し散らかったものを片付けつつ、Aの事を待っていたらインターホンが鳴る。マスクをつけて、コンビニの袋を下げたAの姿。





ﾌｼﾞ「ごめんね、いきなり来てもらって。どうぞあがって」



「全然大丈夫ですよ、お邪魔します。あっフジさんこれどうぞ」



ﾌｼﾞ「ん？ これ俺の好きなお菓子、買ってきてくれたの！？」




そう言えば、Aって誰かの家に行ったりする時、その人の好きな物買って行くんだよね。お菓子とか飲み物とか、高い物じゃないけど貰った側は嬉しい。





ﾌｼﾞ「ありがとーマジで嬉しい」



「喜んでもらえて何よりです」



ﾌｼﾞ「あっ、コート掛けるよ」



「自分でやりますよ！」



ﾌｼﾞ「これくらいやらせて、じゃないと申し訳ない」





他愛もない話をしてから30分、2人でパソコンの前に座り実況を始める。





・





ﾌｼﾞ「やっと終わった！ 怖かった〜アキのビビらなさが怖い(笑)」



「コメントでよく言われます(笑)」





実況とか撮影が終わった後、すぐに名前で呼ぶんじゃなくて、アキという方が余韻で残ってしまう事が多い。これは俺だけじゃないと思うけど。





ﾌｼﾞ「ごめんねこんな時間まで」


「大丈夫ですよ」




時間は既に夜の10時を回っていた。

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