敬語系実況者【最終兵器俺達】

14.知っているからこそ ページ37

・キヨ

【高校時代】





昼休み、弁当を食べながら友達と会話をしていたら、隣から聞こえてきた会話。何故俺が聞いていたか、普段の俺なら興味ないけどAの事が出たからだ。





「ほら、1年のショートカットの子、あの子よくマスクしてるけど、絶対美人だよ」


「あぁ、あの子ね。なんか人を寄せつけない感じない？」


「てか、絶対性格悪いってああいう女」





明らかにAの事だと理解出来る内容。マジでムカついてきた、何で何も知らねぇ奴がAの事をあーだこーだ言ってんのか。





ﾌｼﾞ「キヨ、抑えろ」


ｷﾖ「んだよ、別になんも言ってねぇだろ」





フジや他の友人に言われ、腹立つ気持ちは収まらないままその場を過した。部活帰り、今日はヒラとこーすけはそれぞれ用事があるらしく、俺とフジでRainに行く。





ドアを開ければ、カランカランと音が鳴って、料理の匂いがする。





「いらっしゃいませ。あら、キヨ君とフジ君、お疲れ様」



ｷﾖ「あれ、Aは？」



「今買い出しに行ってもらってるの。さっき行ったばかりで、もう少しかかると思うわ」




案内してくれたのはここのオーナーの奥さんであり、Aの従姉である詠さん。どうぞと案内されたのは、いつもの席。





「キヨ君、なんか機嫌悪い？」




ﾌｼﾞ「実は＿＿」




フジがあの事を説明すると、詠さんはそうだったんだ、と言いながら飲み物を出してくれた。




「本人に言えばいいのにね、その子達も」



ｷﾖ「そんな事したらA嫌な思いするだけ」



「あの子意外とタフよ、じゃなきゃ春樹とだって喧嘩しないでしょ」



ｷﾖ「えっ、喧嘩すんのAって」





春樹の事は1年の頃から知ってた。同級生っていうのが先じゃなくて、Aから春樹は自分の従兄だと聞いたから。つまり詠さんの弟という事になる。





「するする、全部春樹から仕掛けて、全部春樹が負けてる気がけどね……優弥君の影響かな(笑)」



ｷﾖ「確かに優弥先輩は怖い」



「優弥君の口の悪さとか全部そっくりよ。まぁ、あの三兄弟は怒った時にしかそうはならないんだけどね」




三兄弟、Aには兄である優弥先輩の他に、もう1人弟が居る。三兄弟の中でAとよく似てると噂の弟。見た事ないからわかんないけど。





「ただいま戻りました〜」



「お疲れ様、疲れたでしょごめんね、頼んじゃって」



「全然平気ですよ。あっ、キヨさんとフジさん、お疲れ様です」

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