敬語系実況者【最終兵器俺達】

6.あの時の謝罪 ページ14

・フジ





今日はAと一緒に買い物に来た、というのも数日前にAが新しい靴を買いに行くと言うので、着いてきたというのが正しいかな。





「…………」



ﾌｼﾞ「すんごい悩んでるね(笑)」



「久々ですからね(笑)」





Aは昔からヒールを履かないし、可愛い靴とか、ピンク色とか、女の子らしい物を履こうとしない。理由は知ってる、ヒールを履かないのは身長が高くなるから、可愛い靴やピンク色を選ばないのは、自分に似合わないと思ってるから。





「フジさんの靴、めっちゃ格好良いですよね」



ﾌｼﾞ「えっ、あぁこれ？ ハイカットブーツ良いよ〜結構Aの服装なら合わせやすいと思う」



「よし、ハイカットブーツの所見てきます！」



ﾌｼﾞ「俺も一緒について行くよ」





何でだろうって昔から疑問だった。もしかして、誰かに何か言われて女の子らしい物を身に付けなくなったのかなって。でも、A自身が他のものに興味があるなら気にする事ないか。




「やっと決められました！ フジさんありがとうございます」


ﾌｼﾞ「俺、お礼言われる様な事してないよ(笑)」


「フジさんが居なければまだ迷ってたかもです(笑)」





普段クールで目付きも凛々しいけど、笑顔が凄い可愛い。不意に見せる表情って言うのかな、何か惹き込まれるものがある。





『メンバーのアキって子と浮気してるんでしょ』





ふと、思い出したのは嫌な記憶。Aと一緒に居たり、Aの事を考えるとあの時の事がたまに邪魔をする。





「フジさん、取り敢えずご飯食べません？」



ﾌｼﾞ「そうだね、お腹も空い」





歩こうとしたその時だ。






「あれ、フジくん？」






声をかけられ振り向いたら元カノが立っていた。少しいやだいぶ鼓動が早くなってきてる。Aも俺が立ち止まった事に気付いたらしい。呼び方を昔とは変えて呼んでくる元カノ。





「久しぶり！ 会いたかったよ〜」





俺に近付いて来ようとした、俺は後退りをして離れる。





ﾌｼﾞ「もう会わないって言ったでしょ。近寄らないで」



「酷いよ、元々は恋人同士でしょ？」





何でそんな平然としてられるの？ 何で笑っていられるの？ 俺は軽い気持ちで別れた訳でもないし、恋人同士でしょってそんな笑って言われても。





「聞いてるの？ フジくん」





俺の手を引こうと元カノが近付いてきたが、俺はそれと同時に後ろに腕を引っ張られた。

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