運命のヒト【Yoshino Hokuto】3 -完結-

115 ページ16

｢おはようございます。｣


ナースステーションに行き、挨拶。
すると、夜勤だった優奈ちゃんが勢いよく近づいてくる。


優｢Aさん、Aさん！｣


｢ど、どうしたの？｣


優｢Aさん吉野さんとどういう関係なんですか？｣


｢えっ！？｣


そんなことを聞かれるなんて思いもしなかったから思わず動揺して変な声が出る


優｢やっぱり怪しい！
何があるんですかあのイケメン患者さんと｣


｢イ、イケメン患者って、
そんな特に何にもないけど…
でもなんで急にそんなこと？｣


優｢言っちゃっていいんですかね〜｣


｢どういうこと？｣


優｢夜中に航大くんからナースコールがあって行ったら吉野さんが夢でうなされてて、その時にAさんの名前を呼んでたんですよ！しかも呼び捨てで！
普通患者と看護師の関係で呼び捨てなんて、ないですよ、どんな関係があるんです？！｣


｢え、え〜っと、あ、近所！近所なの！
あの私のマンションの部屋の真ん前の部屋なの！
だからその兄妹みたいに、なんか、うんそんな関係！｣


優｢え〜？ほんとですか？妹が夢に出てきますか？普通｣


｢も、もうそんなことはいいから、
ほら申し送り始まるよ！｣


優｢え〜、は〜い、まだ納得してませんからね〜私は｣


本当に納得してない様子で、不満そう
そんな、元カレなんて言えるわけないよ




申し送りも終わり、バイタルサインに向かう


う〜あんなこと言われたら、なんか緊張しちゃうよ
私の名前を呼んでたなんて、なんでそんなこと…



.




Hokuto side


隣のベッドの航大とは、俺がここに転院してからすぐに仲良くなった。

航大は中学１年生のバスケ部でリバウンドをしたとろこ相手チームの人と激しくぶつかって着地に失敗して、両足を怪我したらしい。

俺もずっとバスケやってたからバスケの話で盛り上がって仲良くなった。
それから俺は航大って呼ぶようになって航大は俺の事を北人くん。

昨日航大にあんなこと言われたから、これからAが来るのがちょっと緊張。




ガラガラ



あ、Aが来てしまった


まだ心の準備が出来てないから、寝たフリをする。



｢おはようございまーすって、吉野さん寝てますね、じゃあ航大くんから｣

航｢あ、Aちゃん！おはようございます！｣

｢おはよう！よし体温測ろう！｣

航｢はーい、
あ、そう言えば、昨日北人くんが｣


え、


｢おい、航大！！｣


しまった、寝たフリしたのに起きてしまった


A｢えっ！！｣

116→←114 - Yuna -

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す