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次の日。
仕事だったが、キヨさんに着いてきてもらい、
役所に行った。
住所とかもろもろ聞くため。
ただ、知らないおばあちゃんに嬉々とした表情で「婚姻届をお受け取りに?」と聞かれ、分かりやすく動揺してしまった。
そう言えば、白昼堂々役所に駆け込んだけど、キヨさんはなんの仕事をしてるんだろう。
今夜、ご飯の時にでも聞いてみよう。
仕事が終わり、キヨさんの家に帰る。
「お邪魔します」
「あ、Aおかえり」
お邪魔しますとはなんだ、と顔を掴まれた。
分かるだろうか、ほっぺたをグニッってされるアレだ。
「ここはお前ん家になったんだから、ただいまだろ?」
「...ただいま」
「おう」
この少年のような笑顔。
仕事の疲れ半分持っていかれたよ。
どう見ても少年だもん。
信じられるか?歳上なんだぜ?
「そういや、荷物どうすんの?」
キッチンでご飯を作り始める私に
キヨさんが投げかけた。
「今週の土日に頼んでるよ」
「そっか」
キヨさんはテレビが好きみたい。
ずっと見てる。
そんなことより、
早く作んないと。お腹すいたし。
「何作ってんの?」
「おわっ!!」
背後から声がしたと思ったら、
キヨさんが覗き込んでいた。
気配を消していたのか?
すごくびっくりした。
ちなみにキヨさんは普段自炊しないタイプらしく、
帰ってきてから買い物に行った。
もちろんキヨさんにも着いてきてもらった。
「豚の生姜焼きだよ」
「うえっ、玉ねぎあんじゃん」
野菜が嫌いみたいだ。
私の料理の野菜なら食えるって言わせてみせるぜ。
____
________
「キヨさん、玉ねぎ残ってる!」
「いや、食べるよ?たべるからね?」
ちょっと難しいみたい。
「キヨさん」
「なぁ、そのキヨさんってやめね?
キヨでいいよ。」
「キヨ」
「ん?」
「キヨはなんの仕事してるの?」
「あー、えっと
夢を届ける仕事」
なんだそれ。
アンパンマンなの?
キヨはアンパンマンなの?
「ねぇキヨパンマン」
「誰がキヨパンマンだよ」
このようにツッコミを返してくれる
優しいキヨパンマン。
さすが私の救世主。
まだ出会って2日目だけどね。
「俺、お前となら上手くやっていけそうな気がするんだよね」
「どうしたのキヨパン」
「せめてキヨパンマンで頼む。
あと、ご飯おかわり」
普通ならありえない状況。
何よりやばいのは初対面の人間を部屋に入れる勇気。
本当に助けてくれてありがとう。キヨ。
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まな太郎(プロフ) - らいちさん» ありがとうございます!!!! (2019年12月22日 8時) (レス) id: b78b8c39a7 (このIDを非表示/違反報告)
らいち(プロフ) - 素敵です!!!!!!!!! (2019年12月22日 1時) (レス) id: e58ce47c5b (このIDを非表示/違反報告)
まな太郎(プロフ) - くらっかーさん» そこつっこんだら某ネズミ君に食べられますよ(真顔)コメントありがとうございます!!! (2019年12月21日 23時) (レス) id: b78b8c39a7 (このIDを非表示/違反報告)
くらっかー - ○が仕事してないじゃないですかww好きですよそういうの(真顔) (2019年12月21日 18時) (レス) id: 34f4d10117 (このIDを非表示/違反報告)
まな太郎(プロフ) - ぬこぬこ。さん» 深夜テンションを褒めてくださるなんて(TT)ありがとうございます!がんばります! (2019年12月20日 21時) (レス) id: b78b8c39a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まな太郎 | 作成日時:2019年12月6日 12時