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「急がなくてもよかったのに」
「そ、そうはいかないよ……」
自分にしては結構一生懸命走って、バスのステップを上がったらすぐそこで廣瀬くんは待っていた。「ははっ、前髪暴れちゃってます」って廣瀬くんが手を伸ばそうとしたところを慌てて顎を引っ込めて、自分で乱れた前髪を直した。
定期を運転手に見せて車内の奥へと進む。
夕方の微妙に混む時間帯。近隣の病院帰りや他校の生徒も乗る中、座れる席は後ろの2人掛けしか空いてなくて、先に進んでいた廣瀬くんが足を止めて横にずれた。
「どうぞ」
「あ、うん。ありがとう」
窓側に入るよう手で促されて、鞄をお腹に抱えて座る。
すぐ隣に腰を下ろした廣瀬くんとの距離は、2人で歩いていた時よりずっと近い。
今更距離感に緊張するわけでも無いが、なんとなく息苦しさを覚えて深く息を吸えば、爽やかな香りが鼻を抜けた。
(あ、……)
この匂い、知ってる。
そう思って隣を見やる。廣瀬くんはスマホに視線を落としてて、こちらの様子には気付いていない。
「廣瀬くんって、」
「はい」
「もしかして壮大と同じクラス?」
「島雄壮大?は、同じクラスですよ」
「やっぱり……私昨日ね、廣瀬くんの教室に行ったんだ。入り口のところで多分ぶつかっちゃったんだけど、ちゃんと謝れなかったから、あのほんと、ごめ……」
“ごめんね”って言葉が最後までちゃんと口を出てくることはなかった。なんでだろうか、廣瀬くんの纏う雰囲気はどことなく神秘的で、私から言葉を奪ってしまう。
今だってそう。
申し訳なさで早口になってしまった私を見下ろす目が、優しく細くなって、唇はゆったりと弧を描いていく。
(まただ、銀色に光ってる……)
面白いことなんて何も言っていないのに。
そんな表情を浮かべる意味が、私にはよくわからない。
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祐莉 - お久しぶりです! 更新いつまでも待ってます。 (2022年10月21日 20時) (レス) id: 141db64209 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - masayo_8さん» ゆっくり更新になりますが、是非お付き合いください😌💓水とお友達のびふぁ君たちを書きたかった…! (2022年10月8日 2時) (レス) id: 8cbda2bab5 (このIDを非表示/違反報告)
masayo_8(プロフ) - 新しい小説〜!これから、楽しみですぅ( ꈍᴗꈍ)水泳部。。。想像しただけで、よだれが。。。(笑) (2022年10月7日 8時) (レス) id: 9b3b932bb4 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 祐莉さん» お久しぶりです。またまた私でなんだか申し訳ない(笑)ゆっくり更新していきますので、気長にお付き合いいただければ嬉しいです(^^) (2022年10月3日 4時) (レス) id: e5900b4b59 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - BESTY さん» はじめましてこんにちは!色々とお読みいただいているようでありがとうございます(^^)ゆっくり更新にはなりますが、楽しんでいただければ嬉しいです。 (2022年10月3日 4時) (レス) @page12 id: e5900b4b59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白 | 作成日時:2022年9月30日 22時