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ため息と共に聞こえた言葉にAは顔を上げる。




 「あんたに何がわかん!・・・・の・・」





呆れたか怒っている顔がそこにあると思って噛みつきかけた声がフェイドアウトする。





Aの驚いて見開かれた目には、優しい笑顔のジュンミョンが映っていた。





笑顔は優しいが寂しそうな目にAは目を反らせなかった。






そして誰かが言っていた話が蘇る。





ジヒョンはセフンと同い年で同期だったせいかジュンミョンはセフンと同じようにジヒョンも可愛がっていたと。




ジヒョンの棺にずっと手を当てていた姿が思い出された。





 「っ・・・」





Aは涙が溢れて隠すように俯く。





ゆっくりとジュンミョンが近づいてAを抱き締める。






SU「お前、ちゃんと泣いてないんだろ」






ジヒョンの訃報を聞いた時から、Aだけ泣いていなかった。





病院で喚き散らした時も、宿舎で倒れた後も、葬儀の時も、空っぽの家具のある部屋に一人になった時も、犯人が逮捕されて本当の事が分かった時も、Aは泣かなかった。






泣けなかった、のが正しいのかもしれない。






SU「ジヒョンが死んだのはお前のせいなんかじゃない」





誰も言ってくれなかった言葉が耳に届く。






SU「ちゃんと哀しんでやらなきゃ、天国でジヒョンが寂しがるぞ」






温かな言葉が心を包む。






 「オンニに・・・・・・あいたい」






絞り出した声が涙で震える。







SU「いつでも俺たちを見守っててくれる。お前の傍にいるよジヒョンは。そうだろ?」






 「ごめんなさい・・・ごめんなさいオンニ・・」





SU「お前のせいじゃない。だからお前らしくしてればいい。いいな」






 「うぅ・・・・オンニ・・・ジヒョンオンニぃ」





いつの間にかAはジュンミョンにしがみつくようにその背中に腕を回して泣いていた。

















泣き止んだAを控室に戻してジュンミョンは立ち去った。






メイクを直して一人で戻るA。







PDと相談しているNAKED達を通り過ぎて観客の前に一人立った。






 「みんな貴重な時間を割いて来てくれたのに中断させてしまってごめんなさい。
 きちんとやり遂げたいので、ステージに上がってもいいですか」





マイクを通さず地声を張り上げてAは観客に許可を求めた。






静寂はすぐに歓声に変わった。





PDにも頭を下げて再開された収録は大成功を納めた。

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作者名:〜NAE〜 | 作成日時:2018年4月8日 17時

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