Wild Flower2

96 ページ48

TY「行けないんだから仕方ないでしょ。大人しくしてなさいよ」





　「私悪いことしてない！！！」





そう怒鳴ってAは自分の部屋に駆け上がって行った。









･









　
･









数日間マネージャーと言い合いをしてメンバーとも言い合いをしてAは荒れに荒れた。








日本公演を明日に控えNAKED達はAを残して出国する。







このままだと事務所に乗り込んで代表に食って掛かる事を懸念したマネージャーが取った最善策は・・・。








　「ねぇ。どうしてこうなった？」









ギプスした左腕を三角斤で吊ったまま玄関でぼやくA。









姉たちと同様荷物を準備するようマネージャーに言われてスーツケースを準備したA。








パスポートの発行がギリギリになった、という理由で姉たちとは違う車でマネージャーに連れられて行った先はよく知った場所だった。







　「馬鹿にしてるんでしょ私のこと」







スーツケースを運ぶマネージャーに向き直るA。






MG「至極真面目だ。馬鹿になんかしてない。これなら文句ないだろ」







マネージャーは真顔で答えた。







　「これのどこが真面目なの？私は日本に行きたいの！連れて行けって行ってるだけじゃん！仕事だってちゃんとする！この怪我は私が悪いの！？生意気だから当然の仕打ちだってこと！？こんな怪我した罰なの！？」






マネージャーの襟首を掴んで吠えるA。







MG「人様の家の前で大声出すな！誰もそんな事言ってないだろ！」









　「だったらなんで連れて行ってくれないの！？どれだけ日本に行きたいか知ってるでしょ！！連れて行ってよ！」






MG「こんな怪我を負ってもステージから逃げないお前が心配なんだよ！こっちでも犯人に裏をかかれたのに日本でお前を守り抜く自信がないんだ！」






　「誰も守ってくれなんて頼んでない！！自分の身は自分で守る！だから連れて行ってよ！！日本に連れてって！！」






MG「無理だって言ってんだろ！お前がついて来て他のメンバーにまで被害が出たらどうす」







マネージャーは何度も続けた言い合いにいい加減嫌気がさしてつい言ってはいけない事を口走ってしまった。







　「・・・・そっちが本音か」







Aは襟首を掴んでいた手を突き飛ばすようにして離した。








　「守る自信がないなんて建前よりよっぽど説得力あるよ。よくわかった」

97***BTS→←95

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す