Wild Flower (ページ41)

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それだけ言うと立ち上がるA。

ジミンは床に転がっている衣装にも気が付いた。

JM「局からそのまま来たのか？チームワークも大事なのにマンネが勝手な事したらダメだろ」

自分の荷物をAの荷物の隣に置いて戻ってくるジミン。

　「オンニたちはずっとオンニたちだけで頑張って来たから。私は最後にぽんって入っただけ。
　だからいいの。お腹すいてないし」

汗だくになっている様子見る限り、長く練習していたことをジミンは見抜いているようだった。

JM「でもお前はNAKEDの一員なんだから。ちゃんと姉さんたちと一緒に頑張って来たしこれからも頑張るんだろ？ダンサーは体が資本なんだし、ちゃんと食わないと体が出来ないぞ。
　俺たちは見せる事が仕事なんだから、腹が減ってなくてもちゃんとした食事をきちんととらなきゃダメだ」

優しく言い聞かせるように言うジミンだったが、音楽を選曲して1人踊り出した。

黙って見ていたAは隣に並ぶとジミンを真似て踊り出す。

2人の間にそれ以上の会話はなかった。

汗だくの2人がスタジオの床に転がって疲れた体を休めている。

JM「お前ほんとに踊るの好きなんだなｗ」

　「ソンベこそ」

荒い呼吸を納めて行く。

　「アッパにそっくりな人に会った」

ぽつりとAが言った。

JM「親父さん？亡くなった方の？」

ジミンが返す。

　「うん。大きな体と笑った顔がそっくりだった・・・。もう逢えないアッパがそこにいるって勘違いして・・・・私泣いちゃった」

自分からそういうことは言わないだろうAの告白にジミンは目を見張った。

JM「そっか。誰だったの？その人」

　「スジュのシンドンさんだって」

JM「へー」

ジミンはシンドンの顔を思い浮かべる。

JM「・・・似てなくない？シンドン先輩とお前の顔って」

　「誰かもそう言ってた。・・・でもアッパにそっくりだったんだもん。
　・・・母親が遺骨を日本に返しちゃったから・・・韓国じゃ二度と逢えない私のアッパ・・・」

Aの声の震えに気が付いたジミンは体を起こした。

目をやるとやはりAは泣いていた。

　「写真も残ってない・・・再婚するからって引っ越しの時に全部処分された・・・・。
　大嫌い・・・新しい家も新しい父親も再婚した母親も・・・・」

ジミンはAの隣に寝転んで抱き寄せた。