契約恋愛【Ren.M】 (ページ8)

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彼奴と俺ページ8

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You side

思わず私は聞き返した。

『…に、似てるんですか？』

〈そう、あいつに似てるせいでつらい…〉

『要するに…目白蓮に似ている顔が
　とにかく嫌なんだっていうことですね？』

〈はぁ…もう大丈夫です。
　怒ってすいません、失礼します。〉

『え、あ、ちょ！！！！！』

ぷつり、と繋がらなくなった電話。

発信源は…

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そんな、きっと似てるわけない。
まだ居ることを願ってそこへ向かった。

まぁ翔太の言う通り、見つかるとは思ってな

『目白蓮じゃん…！』

「もう…なんだよ、って相談員？」

『あ、』

首からぶら下げていた名札を見られる。

「さっきの、」

軽く会釈を交わした。

　

『本当にそっくり…でも目の下の黒子がない』

違う、落ち着いて自分。
この人は本物じゃないから。

「この恋愛勤労契約書を見る限り、
　目白蓮のマネすれば300万円支給ってこと？」

『そう、でもただマネするんじゃなくて…恋愛を！』

「ふは、すっごい提案！(笑)」

残った生命は残り少ないんだから
こう、がつがつといかないとね。

「目白蓮と似てるのが嫌で整形まで試みた俺に
　あいつのマネをしながら恋愛？」

『そうです！』

「お断りします」

『ダメです』

ベンチを立った彼の腕を引っ張り、連れ戻す。
そうにか説得しないと。

私は人の悩みを解決する相談員なんだから。

『…無名俳優の年収は約65万円でしょ。
　簡単にお金を稼げる機会はありませんよ』

「前にも似た案件ありました」

『断った理由は？』

「目白蓮のそっくりさんになりたくないから」

『まさにそれ！
　私との契約はその心配はいりません。
　個人と個人の契約だから！』

それでもむっとした表情のまま。
…手強い。

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