契約恋愛【Ren.M】 (ページ20)

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再現は忠実にページ20

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You side

蓮「大丈夫か？」

『まぁ…大丈夫だよ。
　 …目白蓮のドラマ流してくれない？』

蓮「分かったよ」

私が閉じ込められて数時間。

気が狂いそうになるのを抑えて
音声だけでも彼の声が聞きたくなった。

蓮「…だめだ、電波が繋がりにくい」

とうとう音声さえも拝めなくなった。

『…』

蓮「“貴方は僕の太陽だ”」

『…ふふ』

蓮「“あれを見て、あんなふうに
　僕を照らしてる”………はぁ。」

『目黒くんの演劇のセリフ？』

蓮「…お前が退屈しないようにな」

わざわざ私のために1節演じてくれる、
彼は心が綺麗だ。

目白蓮のマネだけじゃなかった。

『思ったより上手じゃん、いつからやってるの？』

蓮「中学の頃演劇部でさ。
　目白蓮より先に演技は始めたんだよ」

『えぇ、(笑)』

蓮「テレビに彼奴が出始めて、俺だと思った母が
　近所に自慢してさ。ほんと恥ずかしい。」

『やっぱり人生の敵だね』

蓮「そんな敵の偽者になろうと考えた時もある。」

カネが無かったんだよ、と言う彼。

バイトも決まらない、家賃滞納。
さまざまな苦難を乗り越えてきたようだ。

蓮「知人が目白蓮のそっくりさんとして
　情報提供しようって言ってきた、
　 …出演料5万円のために。」

『ちょっと嫌かも』

蓮「そう、すごい腹立った。
　 …もう1回誘われてたらオッケーしたかも。
　カネ無いって怖いよな」

ドアの向こうから私の携帯のアラームが聞こえた。
…薬は生憎、そっちにある。

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