EXILE 医療センター18

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片寄side


この痣は今まで多分誰も気づかなかったんだろう。

誰にも気づかれないように自分を責めてたんだ。うまく話せなくて、思うように伝わらないことに苦しんでる。


片寄『大丈ー夫、』



ゆっくり背中を撫でながら、寄り添う。


泣けるだけたくさん泣いたらいいし、辛いなら言葉じゃなくても伝えてほしい。ここはそういう場所だから。



片寄『落ち着いた？笑

ゆっくり息して、ふーーっ、……ふーーっ、』



はぁ、はぁ、と少し苦しそう。


片寄『ちょっとお水飲もうね、』





………



今日はひとりで帰せないなぁ。

水を飲ませている間にお母さんに電話すると、少し遅くなりそうだと。


片寄『Aちゃん、お母さん少し遅くなりそうなんだって。だから、ここで待ってようね。』


『……っ、ひっく、……』


片寄『まだしゃっくり出るね、笑

……なんかやって待っとく？あ、宿題する？』


『……っ、』


片寄『難しいところじゃん、笑』

『……、で、きな、い……』


片寄『んー？、ここはさぁ、……』


実は週に二回院内学級で先生をしているから、中学生ぐらいの内容なら教えられる。


お母さん曰く、勉強はよくできるみたいだけどうまく話せないからと塾には行ってないらしい。


だから難しい問題はそのままにするしかないみたいで。でもよく勉強できてる。


片寄『……そうそう、できたね、笑

ん、これは……』


少しできたら顔が柔らかくなるAちゃん。


カウンセラーとクライアントとして距離を詰めるときに、カウンセリングだけしている訳でなくて。


時に院内の中庭を散歩したり、こうやって勉強したり。


吃音は難しい問題。すぐに片付く問題ではないけれど、少しずつ解決できたらいいね。


………

残ってるリクエストは次のところで書かせていただきます、

18読んでいただきありがとうございました！

引き続き宜しくお願いします！

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