EXILE 医療センター18

#誤解 ページ12

岩田side


看護師『岩田先生、またAちゃん病室にいないんですけど…』


まただ。最近ずっと無断でふらふら出掛けてる。


何度言い聞かせてもやはりお年頃。言うことを全く聞かない。


最近少し体調も悪く、ふらふら出掛けた先で発作でも起こしたら大変なこと。ましてやひとりでなんか、手後れになってしまったら。

そう考えると口うるさく言うしかない。体調も優れず、思春期に干渉されたくないことぐらい、よく分かる。でも、心配だから。



時間があれば探しにいけるけど、なかなか難しいときもある。

スタッフに迷惑をかけてしまっている。どうしたらわかってくれるんだろう。


岩田『とりあえず、探してきます。』


ナースステーションからもしもの時のネブライザーを持って、探し回る。


いそうなところ…


二階の大広間にさしかかったとき、大きな窓のさんに腰かけてぼーっとしながら外を見つめているA発見。


岩田『A。』


呼ぶと、ちらっとこっちを見てまた視線を外へ戻した。


岩田『無断で出掛けちゃだめだって何回もいってんだろ、戻るよ。』

『……』


岩田『しんどいとかない？』

『……』


答えることなく、戻っていく。


思春期の子では珍しくないとはいえ、Aのことになると少し心配症になることは自覚している。最近の悩みの種。

院内学級の先生であり、児童心理カウンセラーの涼太は根気強く話してくれてていろいろ話しているみたいだけど、あまり自分のことは話そうとしないらしい。


まぁこればっかりは様子を見るしかない。

反抗期にしては手がかかるタイプでもないし、少しこういう時間も必要。

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