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『LINE返さなくてごめんね』

「別にそんくらいのこと気にするような男じゃねぇよ」




うそだ。ふと顔を見れば拗ねた表情を浮かべている。


分かりやすい。



「返せねぇくらい辛いことがあったんだろ?」

『え?』



どうして分かるんだろう。




「好きなやつの気持ちくらい分かんだろ。ふつー。」

『。。。。』

「。。。。。」



ん?好き?




「っ。。。ちょっ。。。ちげーよ。いや、ちがくねぇけど。今じゃねーだろおれ。。。」




自分の発した言葉の意味に気づいた晴くんは、
目に見えて焦っている。



『ふふふ』



笑った私を見て、眉を下げた彼は




「お前が好きだ」



といって、後にごめん。を付けた。





『なんで謝るの?』

「馳のこと、好きなんだろ?」




私が気づかなかった気持ちにまで、気づいていんだ。



『うん。』

「でも、そんなんで諦めたりできねぇから。」



歩く足は自然と遅くなる。



『天馬くんには、婚約者がいるの』

「は?」

『だから、もういいの。』

「大丈夫なのかよ」

『うん。晴くんに、会ったら元気になった』

「そんなこと言ってると勘違いしそうなんだけど」




晴くんが、足を止めて私の顔をのぞき込んだ。





「これのどこが大丈夫なんだよ」




春の夜風が通り過ぎる。


泣き虫な私の涙が溢れていた。





『泣いたりして、ごめんなさい』




困ったように笑うと晴くんが私を抱きしめる。





「泣けるうちに泣いとけ」




晴くんのワイシャツに涙が滲む。


この涙の分だけ、私は天馬くんが好きだったんだと気づく。




好きの気持ちはいつか、涙と一緒に止まるのだろうか。

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設定タグ:花のち晴れ , 馳天馬 , 平野紫耀   
作品ジャンル:恋愛
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??(プロフ) - うわぁ、好きです…(т-т)♡続き待ってます! (1月5日 22時) (レス) @page24 id: bf81ac6cbd (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 続きが気になります!更新しますか? (2021年3月24日 10時) (レス) id: 38bc2a156b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆう - 続きが読みたいです! (2020年8月19日 20時) (レス) id: 73ef895257 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - あやみんさん» 更新止めててすみません^^; ありがとうございます! (2020年4月26日 14時) (レス) id: 5d891c1c69 (このIDを非表示/違反報告)
あやみん - 面白いです。頑張ってください! (2020年4月3日 11時) (レス) id: ac50c68a33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2018年12月16日 23時

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