検索窓
今日:28 hit、昨日:10 hit、合計:29,101 hit

64 ページ14

天馬side

自制が効かない。
自分の感情が抑えられない。

なんで神楽木と会っているのか。
土曜日の約束とは何なのか。

彼との関係性は何なのか。


そんな醜い、汚い、嫉妬心が心と思考を蝕む。


どうして上手くいかないのか。

僕を見るAの目が悲しく揺れたとき、はっと我に返った。

傷つけたくない。

優しくしたい。


そう思ってるのに、そうはいかなくて。
苦しい。



「馳さん。少しいいですか?」


近衛の声に意識が戻った。


「ん?」

「何か、ありましたか?」


生徒会室を出ると近衛が呟いた。


「え?」

「こんなこと、僕が言うのは申し訳ないのですが、Aさん、馳さんのことが好きみたいです」

言葉が詰まる。

その言葉は嘘かもしれない。
客観的に判断しなければならない。

それなのに、顔に集中する熱。


「そんなこと。。。。」

「本人に確かめました。でも」


ガラス張りの部屋の向こうのAを見るとデスクで資料をまとめている。

はらりと耳から落ちた髪をかける。
その仕草が色っぽくて、ドキドキする。

近衛に視線を戻すと、


「馳さんには婚約者がいますよね」


真剣な眼差しに熱が冷めるのが分かった。


「このままだと、Aさんが傷つくのは目に見えてます。」

「分かってる」

「馳さんは分かってない」


近衛の押し殺したような声に、嫌な予感がした。


「あなたが優しくする度に、Aさんは、もしかしたらって期待してしまうんです。」

「じゃぁ、冷たくしろと?」



そんなの無理だ。


「必要以上に関わらないでください。それが、Aさんのためです」


無理だ。

それは。


どうしても目で追ってしまう。

さっきだって、Aが教室に居ないのが気になって、探したんだ。


「馳さんは、Aさんのこと、好きなんですか?」

その問にYESと答えることは、馳家の人間として有るまじきこと。
僕には婚約者が居るのだから。

それを知って、僕の気持ちを知りながら、近衛は問いかけている。


「Aのことは、大切だと思ってる。」

「それは恋愛感情としてですか?」

「。。。。ちがう」

「なら、これからは、僕がAさんを守りますから。」


意味がわからない。

今まで僕の味方でいた近衛が。。。。?

65→←63



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
139人がお気に入り
設定タグ:花のち晴れ , 馳天馬 , 平野紫耀   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

??(プロフ) - うわぁ、好きです…(т-т)♡続き待ってます! (1月5日 22時) (レス) @page24 id: bf81ac6cbd (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 続きが気になります!更新しますか? (2021年3月24日 10時) (レス) id: 38bc2a156b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆう - 続きが読みたいです! (2020年8月19日 20時) (レス) id: 73ef895257 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - あやみんさん» 更新止めててすみません^^; ありがとうございます! (2020年4月26日 14時) (レス) id: 5d891c1c69 (このIDを非表示/違反報告)
あやみん - 面白いです。頑張ってください! (2020年4月3日 11時) (レス) id: ac50c68a33 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あい | 作成日時:2018年12月16日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。