エバ・グリーン

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分かってる。







翔太は優しいから。








でも誰よりも不器用で、正しい態度が分からなかっただけ。








だけど私は、こんな事で友情が切れることの方がよっぽど嫌なのだ。








それは翔太も同じじゃないの？









「こんなに長く気の合う友達やってきて、翔太にとってあたしはすぐに切れるほどどうでもいい存在だったわけ？」








はっとしたように表情を固めたあと、音のない息を長く吐いた。








「……ごめん」








初めて口にしたその言葉に、無傷ではないと言えば嘘になる。







それでもやっぱり、こんな事でクヨクヨするほど、私はヤワじゃない。







思わずふっと笑ってしまった私に、気が抜けたように表情が緩んだ。








「ごめん。…俺マジで、お前と関係切れるとか、考えたくなかったわ」







「あんたがそういう風にしたんでしょーが」








「はぁぁぁーー、マジで、良かった」









ほんっと、ばか。







そんなのこっちから願い下げだ。








「式には行く。スピーチでふっかとあんたの恥ずかしい話暴露してやる」








「それは勘弁して」と笑った翔太がいつも通りで、いつの間にか心の蟠りが消えているんだから私も案外素直な奴だな、と思った。










「じゃあ、これ言いに来ただけだから。帰るね」








「お前はほんと、さっぱりした奴だな」








「だから良いんでしょ」








得意顔でふんと鼻を鳴らしてやれば、ぐはは、と笑う。








今度こそ、もうここへ来る事はないのだろう。








「A！」








歩き出す私の背中を、意外と良く通る綺麗な声が呼び止めた。








「今も昔も、これからも、お前は変わらず最高だよ」








バカみたいに真面目な顔して笑うから、可笑しくなって思わずこっちも笑ってしまう。







なにが、最高だ、よ。








…好かれてるのが良いのか分からない、なんて愚痴、無かった事には出来ない？










「こっちのセリフだ、ばーか！」












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