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家の前に立っていたコネシマさんの知り合いと思わしき人は、私に見向きもせずにコネシマさんの元へ歩き出す。
緑色のパーカーに身を包み、フードを深く被っているため表情がよく読み取れない。
?「シッマ、なんでこんな所におるん?」
kn「それはこっちの台詞や。何でお前がここにおるんや、ゾム?」
zm「国総出で行方が分からんくなったシッマのこと探してたんやけど、気が付いたらここにおったんや」
緑のパーカーの彼はゾムさんという名前らしい。
おそらくゾムさんもW国からこちらへやって来てしまったのだろう。
kn「ゾム紹介するわ、この人はA。俺の恩人や!A、こいつはゾムって言って俺の仲間や。」
前に話していた通りコネシマさんは私を恩人だと紹介する。
「ゾムさん初めまして、田中Aといいます。よろしくお願いします」
深々とお辞儀をして挨拶をするがゾムさんはあまり良い顔をしなかった。
ひょっとするとコネシマさん以上に警戒心が強いのかもしれない。
zm「シッマ、お前こんな訳分からん女とおらんとさっさと城に帰んで!」
ゾムさんがコネシマさんの腕を掴むと、その反動でコネシマさんが持っていた荷物が落ちる。
コネシマさんは無言でゾムさんの手を払い、落ちた荷物を拾いながら言う。
kn「Aは恩人やって言ったやろ、W国の帰り方が分からん俺の面倒見てくれてるんや!」
zm「はあ…シッマがそこまで言うなら見逃したるわ」
ゾムさんは納得はしていないようだったが、「チッ」と舌打ちをして渋々大人しくなった。
見逃してくれるという事は、下手したら自分は殺されてたのでは。
「ゾムさんにお聞きしたい事があるんですが、城に帰ると言っていましたが帰り方って分かるんですか…?」
zm「W国への帰り方?そんなん分からんで。そもそもここがどこか分からんし」
kn「はあ?俺と一緒かいな!?なあA、すまんけどゾムも世話になってもええか…?」
コネシマさんに「大丈夫ですよ」と返すと、私とコネシマさんはゾムさんに目を向ける。
zm「シッマの恩人、悪いけど暫く世話になるわ」
コネシマさんをW国に帰す方法が分かるかと思ったが、どうやら手掛かりは得られそうに無い。
それどころか同居人がめでたくこの度おひとり様追加になったのであった。
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