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彼を自宅に招き入れると、玄関で靴を脱がずに上がろうとするので脱ぐように促すと彼は「靴って家で脱ぐもんなんか?」と驚きながら靴を脱いだ。
家の中に入ると部屋の明かりをつけ、彼に手と患部を洗ってもらい椅子に座って待っていて貰う。
救急箱から消毒液を取り出し、彼の怪我の手当をする。
「少し染みますからね」と言いながら彼の腕やなどの患部を消毒し始めると、
「いてっ!」と彼の声が頭の上から聞こえる。患部をガーゼで保護して包帯を巻く。
「お疲れ様です、終わりましたよ」
?「おん、ありがとうな」
キッチンで緑茶を淹れ、彼の目の前に置く。
私はもちろん酒と肴だ。
彼は警戒しているのか緑茶が見慣れないのか、じっと湯のみを見つめている。
「この国でよく飲まれる飲み物です。毒とか入っていませんし、安心して飲んでくださいね」と伝えると、大人しく飲み始めた。
「改めまして、私は田中Aと申します」
kn「俺はコネシマや。W国の幹部で近距離部隊の隊長をやっとる」
「じゃあ、コネシマさんとお呼びしても?」と尋ねると「ええで」とお許しを頂く。
「W国は部隊があるんですね、私はW国という国を聞いたことがありません。この国は日本という国で、戦争のない国です。コネシマさん、どうして私の家の前にいたのか話せる範囲で教えて貰えませんか?」
するとコネシマさんは目を見開くが、すぐに真顔に戻り「そうか…」とつぶやくと経緯を教えてくれた。
コネシマさんが言うには、W国は戦争中で相手国に乗り込んだ際に接敵してからの記憶がなく、気が付いたら全く見覚えの無い場所でフラフラ歩いていると、私の家の前に居たと言うのだ。
kn「見知らぬ他人のこんな変な話、信じられへんかもしれんけどホンマなんや!信じてくれ!」
必死で頭を下げるコネシマさんをどうしても嘘とは思えなくて、彼を信じる事にした。
「コネシマさん、顔を上げてください。初めは半信半疑だったのですが、どうしても嘘には思えなくて…。だから信じます、コネシマさんの事」と言うと、
彼は「ほんまか!?ありがとう!!」と大きな声と共に嬉しそうに笑みを零す。
顔面偏差値高男の笑顔は反則ではなかろうか。
「W国に帰れるまで私が面倒見てあげます」
こうして異世界からやってきた彼との共同生活が始まるのであった。
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