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いつも通り仕事をこなす。
定時になり周りが退勤し始める中、そろそろ帰ろうかと思うと「田中さん、これよろしく」と上司から次の仕事を渡される。

何度目の残業か数えるのを止め、増えた書類の山と睨めっこする。
現在時刻は午後10時、無事に仕事を終え、退勤カードを押し帰路につく。

帰り道にあるコンビニへ寄り、ビールと肴を購入。
仕事のストレスを酒で発散するべく歩く速度を上げ家へ向かうと、家の前に人影が見えたのだ。

「あの…私の家に何か用ですか?」

?「いや、そういう訳やあらへんのやけど…」

金色の髪に、スカイブルーの瞳。
この辺りじゃ見られない容姿の男性が私の家の前に座り込んでいたのだ。
顔面偏差値高いなあとぼんやりしていると、「なあ」と声を掛けられる。

「何でしょう?」

?「ここはどこや?W国に戻りたいねんけど」

「はい?ここは東京ですけど」

W国なんて聞いた事ない、新手の不審者かと思うが、彼が冗談を言っているようには思えなかったのだ。

?「トウキョー、聞いた事ないわ」

思わず「えっ」と声を漏らしてしまう。彼は一体どこから来たのだろうか。
話す口調から推測すると関西弁なのだが、
関西のことを尋ねても首を横に傾げるだけであった。
まさか本当に聞いた事ないW国から来たのだろうか。

「取り敢えず、詳しく話が聞きたいので家に上がってください。貴方、怪我してますよね?手当しますよ」

彼は警戒しているのか、少し考えた後に渋々了承してくれた。

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作者名:じう | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年6月18日 20時

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