P15 ページ21
ｱﾝｽﾞ「酷い未来....」
ｷﾊﾀﾞ「施設にいる子達は全員が捨てられたわけじゃないから、未だ捜索願いが出ててずっと帰りを待ってる家族が居る。けど助かったのは能力者1人で、自分の子どもは助からなかったって知った時、その家族の恨みはどこに向く？」
ｱﾝｽﾞ「ツキハか.....」
ｷﾊﾀﾞ「そう。自分の子どもは助からなかったのに、1人だけ助かった。しかもその子は地位の低い能力者。その能力者が自分の手の届く場所にいたら？能力者なら人間を救うのが役目だろうとツキハを傷付けかねない。」
ｼｵﾝ「まだ子ども達を救える可能性はあるし、救うことが大前提だから、申し訳ないけど子ども達を救い出すことを優先してツキハの事は後で話そう。」
ﾓｴｷﾞ「俺は施設の今の様子を調べてみる。皆は子ども達が外に出た時に入れそうな養護施設と、子ども達の家族を調べて欲しい。帰れる家庭があれば、そこに帰してあげよう。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
scene20［心は謎めいて］
ﾂｷﾊ「あの、2人の名前を聞いても良いですか」
ｼﾝｸ「あぁ、ごめん。まだ名乗ってなかったね。俺はシンク、火の能力者です。」
ｱﾏ「俺はアマイロ、水の能力者」
ﾂｷﾊ「お2人も、花が咲いた存在なんですよね。」
ｱﾏ「うん」
アマイロの返事に合わせてシンクも頷く
ﾂｷﾊ「じゃあ、違法な....」
ｱﾏ「まぁ、違法な存在だな。俺らはヒサギ様っていうこの国の王に、ゴルゴンからこの国の人間を命懸けで守る事を条件に生かしてもらってる。命を差し出す代わりに、命を守ってもらったんだよ。」
ﾂｷﾊ「命を差し出すってことは、2人はいつ死 んでもおかしくないって事ですよね」
ｱﾏ「そういうことだな」
ﾂｷﾊ「怖くはないんですか」
ｱﾏ「勿論怖いよ、明日もしヒサギ様の気分が変わって、俺らを処 刑台に乗せるって言い出したらどうしようとか、能力に飲み込まれる可能性だってあるし、ずっと怖い」
ツキハは俯きながら問う
ﾂｷﾊ「逃げよう、とか、思いませんか」
アマイロとシンクはツキハを真っ直ぐ見つめて応える
ｱﾏ「思わないね」
ｼﾝｸ「思わない」
ｱﾏ「施設にいた時は毎日逃げたいって思ってた。シンクが居なければ、とっくに暴走して俺はこの世にいなかったと思う。
施設から出ても罵詈雑言を浴びせられて、もう死 のうと思った。そんな時に出会ったのが、あいつらだった。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 278人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
