2 ページ37
田中 side
全体の消灯が終わって、寂しいコールが鳴ったと
思えば本当にしんどそうな発作のコールが鳴ったり。
やっとこ落ち着いたのは25時をまわった所だった。
ジェ｢俺ら揃うとろくな事ないよね｣
｢だったら家帰って仕事しろよ(笑)｣
ジェ｢だぁあって俺これ無理だもん、ほらもうこの単語とかわかんない｣
｢…まぁいいけどさ？｣
椅子に座りながらクルクル回るジェシーに、
知識を自分のモノにしたら何億通りもの使い方が出来るのにどうしてこうも知識にするまでに時間かかるんだよ…と喉まで出かけた言葉を飲み込む。
最新医療のシステム開発について、
記事を読んでいたジェシーは単語が分からないだの
意味が分からないだので結局1人だと読めないから、
たまにこうやって夜勤でもないのに残って俺と
記事を読んだりする。
ジェ｢何か手伝うことある？｣
｢別にないかな…ちょっとトイレ行ってもいい？｣
ジェ｢OK、お化けに気をつけてね｣
｢出ねぇよ(笑)｣
何年働いてもお化けにビビってるジェシーが面白い。
今年はパチこき野郎にどんなお化けネタを吹き込まれて、夜のトイレ怖い！樹来て！と言い出すかな。
｢ん？｣
トイレについてドアをガラッと開けると、
電気が付いていた。
入ってるとすれば看護師の誰かかな？
なんて思いつつ俺はトイレを済ませた。
｢…｣
シン、としている室内。
え、
いやいや、
ねぇ？
こんな時に限って、ジェシーの｢お化けに気をつけてね｣が妙に心に突っかかる。
いや、やめよそういうの。
やめたやめた、なんて勝手に心で唱えながら
手を洗っていた時だった。
“…ﾊｧ、っ”
｢…｣
手を洗う水の音や換気扇の音に紛れるように小さく、でも確かに聞こえたのは、どこか苦しげな呼吸だった。
濡れた手を拭きながら、俺も深呼吸して
一つ閉まったドアの前に立つ。
例えこれがお化けだとしたら、お化けでした〜
ちゃんちゃんにしよう。
コンコン、
｢大丈夫ですか？｣
2度ノックしてそのドアに耳を近づけてみる。
中から返事はないけど、ゴソゴソと音がして、
水の流れる音がした。
その直後。
ガチャ、
京｢すみません、次どうぞ｣
｢きょも、｣
中から出てきたのはよく知った顔だった、けど。
｢っ、どうした？大丈夫？具合悪い？｣
ただそのきょもの顔色は青白くて、
額には冷や汗が滲んでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1341人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃん - 移行おめでとうございます！主様のお話が本当に大好きでずっと更新されないか楽しみにしていました！これからもお話楽しみにしています！ (2021年7月29日 0時) (
レス) id: b34980f8db (このIDを非表示/違反報告)
スモモ(プロフ) - maru_さん» そうなんですね！わかりました！！これからも更新楽しみにしてます！！！ (2021年7月27日 20時) (レス) id: 6b77069b0e (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - みくさん» 本当にありがとうございます(TT)待っててくださって本当に本当に嬉しい限りです！！！ (2021年7月27日 20時) (レス) id: db337c87a7 (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - スモモさん» ありがとうございます(TT)もうTwitterやっていません…すみません(;_;) (2021年7月27日 20時) (レス) id: db337c87a7 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 更新ありがとうございます！このお話大好きです！ずっと待っていました！おかえりなさい。 (2021年7月14日 1時) (レス) id: 12bc81e91e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：maru_
| 作成日時：2020年10月15日 23時
