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松村 side



森「北斗、これ、」


「……あぁ、ありがとう」



目の前に差し出されたのはホットコーヒーの缶。
やれなんだ、今どき流行りの鬼退治アニメの柄がこちらを向いている。

あの後。


どうしたっけ俺。


ジェシー先生がAを抱えて、走って病院に戻って。そのまま処置室に向かった。


その後、俺も入ろうとしたら、



「…」



馬鹿みたいに手が震えていた。



元々処置室で待っててくれていた高地が「寒かったでしょ、あと代わるよ」と言ってくれて。
その言葉の意味を理解する間も無く、「間に合ったんだね、流石だわ!」と俺の方を軽く引っ張る慎太郎に身体を任せて。


自分の席に戻ってきた、と。



手の震えは収まったものの、
あれが寒さのせいなのか、はたまたAか消えそうな恐怖から来たものか。



確実に後者だろう。



不意に、何やってんだろ、なんて
声が落ちた。



森「いや北斗は凄いよ、本当に。一旦ジェシー先生と高地に任せて北斗は」



「なんも凄くないよ」



森「休ん…」



見つけたのはジェシー先生。

その後の処置をやったのもジェシー先生。





樹先生にAの気持ちを伝えなかったのは俺。


Aの気持ちを後回しにしてしまったのは俺。







田「なぁ北斗、」



缶コーヒーのそいつから目を離して、樹先生の声の方に顔を向ける。



自然と立ち上がった俺は、
今頭と身体が連動していないらしい。






田「…ごめん」



「…ごめん?」



田「全然気づけなかった、っつーか、Aのこと北斗とかちゃんと見てくれてるの分かってたから」


それに甘えてて。









果たして、そうだろうか。




樹先生は、俺なんかに、Aの中での樹先生の代わりが務まるとでも思ってたのか。





「、何もわかってないっすね」



田「は?」




「…分かってないっすよ、全然」





気づけなかった?俺が見てるからいいと思ってた?
Aの中の樹先生は、そんな人か?



再び言葉が頭をぐるぐると回り始めてしまって、
俺は咄嗟に口を噤んだ。

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にゃん - 移行おめでとうございます!主様のお話が本当に大好きでずっと更新されないか楽しみにしていました!これからもお話楽しみにしています! (2021年7月29日 0時) (レス) id: b34980f8db (このIDを非表示/違反報告)
スモモ(プロフ) - maru_さん» そうなんですね!わかりました!!これからも更新楽しみにしてます!!! (2021年7月27日 20時) (レス) id: 6b77069b0e (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - みくさん» 本当にありがとうございます(TT)待っててくださって本当に本当に嬉しい限りです!!! (2021年7月27日 20時) (レス) id: db337c87a7 (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - スモモさん» ありがとうございます(TT)もうTwitterやっていません…すみません(;_;) (2021年7月27日 20時) (レス) id: db337c87a7 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 更新ありがとうございます!このお話大好きです!ずっと待っていました!おかえりなさい。 (2021年7月14日 1時) (レス) id: 12bc81e91e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:maru_ | 作成日時:2020年10月15日 23時

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