月花石色-366日短編小説‐

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三日後、彩華ちゃんの連絡の通り待ち合わせの場所まで来た。


あの後、やっぱり断ろうとしたがもう話は引き返せないところまで進んでいて。
他のスタッフからも合コンについて話しかけられ結局断れなった…。




合コンとか初めてで
何を着ていけばいいかわからず。
彩華ちゃんが言うには、飲み会の延長線上のようなものだから。
仕事終わりの恰好でいいといわれ…。


言われた通り、STUDIO SEVENのオーバーサイズのトレーナーをワンピースの様にして下にはレギンス、スニーカーの恰好で来ていた私は。


待ち合わせ場所に来た彼女たちに目を見開いた…。




あれだけ、仕事のままの服でいいと言っていた彩華ちゃんを始め
他のスタッフのみんなまでもが可愛いらしい女性的なファッションで唯一スポーティーなカジュアルスタイルなのは私だけだった。


私に気づいた彩華ちゃんは
ニコニコした笑顔で私に駆け寄り…。


「Aさーん！本当に来てくれたんですね！！私たち、今日早上がりだったので一度帰って、着替えてきちゃいました！」




彼女の後ろで他のスタッフ達がニヤニヤしているのを見て
…あぁ、揶揄われたんだ。
と気づいた。


待ち合わせした場所もどこか高そうな店の前で少しおかしいと思ってたけど…。
騙されてしまった自分が悪いんだと半ば諦めに似た気持ちで…

私を他所に他のみんなとキャッキャッ話している彩華ちゃんに帰ることを伝えようと近づくと。





「おぉー！お待たせぇ！！」

「もう。待ちましたよー!!今日は私の大好きな先輩も連れてきちゃったんですから‼」


前から来た男性陣と彩華ちゃんが話し出して
いつの間にか掴まれた腕を引っ張られて彼女の横に並ばされていた…。





あぁ、本当についてない。









飲み会のような合コンが始まってからかれこれ1時間。

3対4、もちろん多いのは女性側で。
つまり、余りが私なんだけど…。

そんな私を置いていくように騒いでいる目の前の6人に私はただただ呆れるばかりだった。



彼女たちにしても、一緒に騒ぐ男性陣にしてもそうだけど
一番は、騙されてのこのこ付いてきた私自身に呆れかえった…。


1人の男性が私の隣にやってくる。


「ねぇねぇ。Aさん？だっけ？？超つまんなそうな顔してんじゃん！」

急に話しかけてきて隣に座ったかと思うと私の肩に腕を回して絡んでくる酒に酔った男。


そんな状況を楽しむようにニヤニヤと笑っている他の人たち…。



…帰ろう。



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