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先に行ったはずの彼女を追いかけているのに彼女はどこにも見当たらない。


変な汗が背中を流れる。
体温が少しずつ奪われるようなそんな感覚。





4フロア目を出ても彼女の姿は見当たらない。



どうして?

あの絵に関係しているのか??




遠くに行ってしまったような彼女を必死で探していると。



4フロアから出口へと誘導している道から少し入ったところに渡り廊下のような道が続いているのに気付いた。




“…樹。”



気のせいだろうか。


でも、確かに彼女の声が聞こえた気がした。







俺は、その声に導かれるままその道に足を進めた…、







意外にも彼女はすぐに見つけることができた。




…でも、俺はそこから進むことができない。


渡り廊下の窓から外を眺める彼女が

あの絵の少女と重なっていたから…。






俺は、不思議な感覚だった。
絵はもう何百年も前のもの。
つまり、絵の中の少女ももういないはず。

それなのに、目の前にはその少女がいるように見えた。


今なら、彼女の目線を通してあの少女が何を見ていたのか分かるかもしれない。





俺は、彼女の目線の先を追った…。


…その先にあったのはただ青い空だった。



白と青のコントラスト。
太陽の光。

どこにいても見られる様な普通の空を彼女は愛おしそうに見つめているだけだった。







少女も空を見ていたんだろうか…。


分からない。

知っているのは、少女本人とあの絵を描いた画家だけだ。







それでも、あの少女が俺に訴えかけたこと。




彼女と同じように空を見ていた俺は
彼女がまた先へ進もうとしているのに気付いた。







遠くなる彼女の背中。


俺は、美術館ということを忘れて彼女のもとへと走った。









「“A‼”」


俺の声に振り向く彼女と

俺が彼女の腕を掴んだのはほぼ同時。




掴んだ腕をそのまま引き寄せ。
彼女を俺の腕の中に閉じ込めた…。




腕の中で何も言わない彼女。

俺は、そんな彼女に言い聞かせるように


「“好きだ”」

と告げた。


腕の力を強めた俺に、彼女が一瞬体をビクッとさせたけど
腕の中でへにゃりと笑って俺の背中に腕を回した。





『ふふっどうしたの樹。…珍しいね?』


「…、これからは、ちゃんと。言葉にして言う。だから、…俺から離れないで。」


自分でも驚くほど素直に口にでた感情。



そんな、俺に少し不思議そうにしながらも

それでも微笑む彼女に俺は一つ キス をした。







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ESORA(プロフ) - マカロンさん» 返事が遅くなり申し訳ありません。すごく嬉しかったです!!一応来年の11月末まで続けるつもりだったので、もしよかったらこれかも見ていただけると嬉しいです。宜しくお願い致します。 (2018年12月16日 15時) (レス) id: 44dad9860d (このIDを非表示/違反報告)
マカロン(プロフ) - ESORAさん» すみません…夏とか勝手な事を…f(^_^;人には人のペースがありますよね!あまりにも作品が良すぎて、調子に乗って言ってるだけなので負担にならないといいのですが…。 体に気をつけてマイペースに活動を楽しんで下さい♪ (2018年12月8日 2時) (携帯から) (レス) id: d90a572a32 (このIDを非表示/違反報告)
ESORA(プロフ) - マカロンさん» コメントありがとうございます。夏の花までいけるように毎日少しずつではありますが更新したいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。 (2018年12月8日 2時) (レス) id: 44dad9860d (このIDを非表示/違反報告)
マカロン(プロフ) - こんばんは。素敵なお話ですね!私はお花も好きですし、ランペファンなのでより嬉しいです!夏の花言葉ストーリーも楽しみにしています^▽^無理をせずに頑張って下さい♪応援してます! (2018年12月7日 22時) (携帯から) (レス) id: d90a572a32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ESORA | 作成日時:2018年12月1日 22時

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