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黙っていた彼女が発した第一声に固まってしまった。
ダンッ
『ウダウダうっさいって言っての!』
空になったグラスを割れるんじゃないかってくらいの勢いでテーブル置いた彼女はさっきと同様いつもの雰囲気と違う言葉遣いで俺を睨み付けた…。
『さっきから聞いてればさぁ。何?筋肉バカ?実際そうなんだからなんもいえないでしょうが。筋トレ止めろって言われたら出来んの?あんた?あ?』
いやいや、ちょっと待ってキャラ全然ちゃうやんッ!
彼女の豹変ぶりについていけない俺は前に玲於が言っていたことを思い出した。
“A、怒るとめっちゃ怖いですよ”
うん、玲於ごめん。
今やっとわかったわ…。
さっきとは逆に今度は俺が黙ってしまった状態で尚も続く彼女の言葉。
『あんた、自分ができること見つけてやってんじゃないの?片寄が何?気にしなくていいでしょ。それがあるからってあんたに何があるっていうのよ。そんなやつほっとけばいい。見てる人にはちゃんと伝わってるの。それでいいじゃん!。』
「‥‥」
『先輩やスタッフから言われただ?それで?今までのこと止めちゃうわけ?あんたの頑張りはそんなもんなんですか?へー。随分軽いですねぇ。』
「あ゛?なんやて?」
黙って聞いていたけどだんだん腹も立ってくるわけで
自分を否定するような言葉につい相手を睨んでしまう。
『自分で決めたことなんだったら自分が納得するまでしたらいいじゃん!って言ってんの周りからどうとかって言うより“本当は一番あんたが自分のこと信じてないだけなんじゃないの?”』
「 ッ」
彼女のその一言に言葉が出ない。
図星だ…。
周りからの言葉に自信がなくなってきたのもあるけど…
それよりも、今のままでいいのかと思っているのは誰でもない俺が一番思っていることだった。
それを、こいつに言い当てられてしまったことに俺は驚いた。
『あんたは、その鍛えられた筋力で歌の可能性を広げようと頑張ってんでしょ?だったらウダウダ言ってないで頑張りなさいよッ。あんたの強さはその体だけか?え?もっと強いもんがあるでしょ?』
「…強いもの」
『“気持ち”。グループをもっと上にグループのためにっていうその気持ち。大切にしなさいよ。あんたの歌はいいよ?聞いている人の心に寄り添う声。涼太の声も優しいけどあんたの力強い声で周りが元気になっていることを知ろ。』
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ESORA(プロフ) - マカロンさん» 返事が遅くなり申し訳ありません。すごく嬉しかったです!!一応来年の11月末まで続けるつもりだったので、もしよかったらこれかも見ていただけると嬉しいです。宜しくお願い致します。 (2018年12月16日 15時) (レス) id: 44dad9860d (このIDを非表示/違反報告)
マカロン(プロフ) - ESORAさん» すみません…夏とか勝手な事を…f(^_^;人には人のペースがありますよね!あまりにも作品が良すぎて、調子に乗って言ってるだけなので負担にならないといいのですが…。 体に気をつけてマイペースに活動を楽しんで下さい♪ (2018年12月8日 2時) (携帯から) (レス) id: d90a572a32 (このIDを非表示/違反報告)
ESORA(プロフ) - マカロンさん» コメントありがとうございます。夏の花までいけるように毎日少しずつではありますが更新したいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。 (2018年12月8日 2時) (レス) id: 44dad9860d (このIDを非表示/違反報告)
マカロン(プロフ) - こんばんは。素敵なお話ですね!私はお花も好きですし、ランペファンなのでより嬉しいです!夏の花言葉ストーリーも楽しみにしています^▽^無理をせずに頑張って下さい♪応援してます! (2018年12月7日 22時) (携帯から) (レス) id: d90a572a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ESORA | 作成日時:2018年12月1日 22時