月花石色-366日短編小説‐

12月2日　カーネーション　-reo- ページ3

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開演30分前


会場の通路という通路で
スタッフの人たちが慌ただしく動いているのをただじっと黙って見つめる。


今日は、LDH所属アーティストが総出演するドームLIVE
私たち7人の新しいグループは、今日初めてファンの皆さんに発表される。


EGグループではあるが
E-girlsでも、Happinessでも、Flowerでもない。



新たなグループの誕生ということもあり
緊張は、始まる前からピークを迎えている。



でも、それを表情に出すことはできない。



それは、今私の隣にいる彼女たち6人の不安が増さないようにするため。



？1「Aさん、どうしよ‥震えが止まらないですっ」

『大丈夫。落ち着いて？今日のためにみんな頑張ってきたんだから。みんながついてるよ。』

？1「…Aさんの言葉って魔法みたい。私、Aさんと同じグループになれて嬉しいです。」



キュッと私の腕を掴んで微笑む彼女を見ると
私の心にも少し温もりを感じて同じように笑い返す


こんなに、ほんわかしてる可愛い彼女もステージに上がれば攻撃的な色気を振りまき
激しくダンスするのだから
このギャップは、何年経ったとしても慣れないだろうな。



？2「私も！Aさんだけじゃなくてこの6人と同じグループになれて、本当に良かった!!!」

？3「ほーら、ミワ。声抑えて。スタッフさんがびっくりしてるでしょうが」

ミワ「レイちゃんは、嬉しくないの！？」

レイ「馬鹿。嬉しいに決まってるでしょ？私たちはこれからなんだから。」


天真爛漫元気娘と冷静沈着お姉さまなボーカル2人組。

ミワとレイは、対照的に見えるけど
その二人が織りなすハーモニーは、どのグループよりも負けない自信がある。


笑いながら話している彼女たちもさっきからソワソワ落ち着かない様子。









“大丈夫。”





　 “大丈夫。”









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