月花石色-366日短編小説‐

12月4日　アベリア　-ryuto- ページ20

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俺には今、苦手な女がいる・・・。




いつも周りに気を使って自分は後回し。
周囲の評判はいいが俺には、それが嫌で嫌でしょうがない。



誰にでもニコニコしているこいつがようわからん。




目の前でメンバーに茶々を入れられるこの新しいマネージャーが…。









こいつがGENEのマネージャーに来たのは半年前。

個人での仕事も増えてきたことを理由に新たにマネージャーであるAが加わった。

特に不自由していなかった俺たちは新しいマネが来たことに最初は戸惑った。



メンさんや亜嵐くん、隼はすぐに打ち解けていたが
それ以外のメンバーは挨拶をする程度で特に関わろとはしなかった。




それがや・・・。



ここ2ヶ月ほどで他のメンバーも彼女にべったりなのだ。



あの、塩MAXの玲於までも何かある度そっけないが彼女に構う。
今だって、裕太の訳のわからない宇宙語に付き合っている彼女を他のメンバーは微笑ましく見ている。





腑に落ちない。




別に彼女が悪いやつとは思わない。
むしろその逆だ。

めちゃくちゃいい子。


いつもニコニコして周りに気を遣うし
自分のことは後回しで俺や周りのことを優先する。




みんなが気に入るのも分かるけど俺はどこ彼女が苦手で…






「“龍友くん！！”」


「おわぁッ！なんやねん隼！！」


「なんやねん！じゃないですよ!!さっきから呼んでるのにぃ！ 龍友くんスルーなんですもんッ」



目の前でプクーッと膨れる隼。

どうやらさっきから俺を呼んでいたらしい…。



「そら、すまん。 で？何なん？？」


「もぅ!! やっぱり聞いてなかった!!今日の集まり龍友くんも来ますよね！？」

「ぉお、いくで？ いつもの店やろ？？ジム行った後そのまま行くわ。」

「わかりました。今日は、亜嵐くんが少し遅れるそうですけど全員集まれるみたいなんで！みんなで飲みましょうね！！」




さっきのふくれっ面がどこに飛んで行ってしまったのか…。
金髪豚野郎は、そのまま亜嵐君のところへ戻っていった。





今日は、久しぶりにメンバー皆での食事会兼ミーティング。
これには、マネージャーも来ないからいい機会やし、あいつのこと聞いてみよ…。









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