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「構わないが…。君はそれでいいのかい?準備で忙しいだろうに…」


『大丈夫です。向こうには身一つでいくつもりなので出発までの休日片付けられます。』


「そうかい。わかった。 じゃぁよろしく頼むよ」





社長室を出た廊下で私は一つ息を吐いた。






その日は、通常の業務と今までの仕事の振り分けと忙しく

また、その次の日も慌ただしく過ぎていった。






<ピンポーン>




持っている合鍵を使わず
呼び出し音を鳴らす。




(はーい?)


「‥おぅ。お疲れ。」

『‥、お疲れ様。お邪魔します。』



久しぶりに入る彼の家は、当然だけど甘い彼の匂いがしていて

それを感じるだけで泣きたくなる気持ちを押し込めて部屋に入る。






リビングのテーブルには次の作品のための台本や資料が山積みで



「Aお茶でええ?」

彼は、それをさっと端に除けてキッチンに向かおうとしていた。


そんな彼の腕を咄嗟に掴む・・・。




言うなら早い方がいい。
気持ちが揺らぐ前に。



『・・、涼太。話があるの。』



掴んだ腕はそのままで
私に背中を向けたままの彼はこちらを見ずに下を向いたままだった。



「…何?」


彼の甘く優しい声は、心なしか低く震えていた。


きっと私が何をしに来たか気づいてるいるんだ。



『ちゃんと話したいから、座ろ?』


黙ったままの彼の腕を離して先に彼のソファに座る。

その横に1人分開けて座った彼。


『…、海外からオファーが来たの。』


私の言葉に彼が少し安堵した表情が伝わった。


「良かったやん。おめで『今の会社を辞めて、向こうに行く話なの』…は?」



彼の言葉を遮り言った私はそのまま言葉を続けた。


『向こうのアーティストが私のことを評価してくれ。手伝ってほしいって言われたの。』


「・・、それオファーというより引き抜きってこと?」

『たぶん、そういうことだと思う。でも、社長からの話だったから私にも分かんない。』


「…いつ帰ってくるの?」


『わからない。1ヵ月なのか1年なのかもっと長くなのか・・・。』


「・・・。」

彼は、とうとう黙ってしまった。


『最近ね?いろんなアーティストの方からオファーを受けていて。その作品を彼女が見て興味を示してくれたらしいの。 社長も、今よりも成長できるだろうって背中を押してくれて…』

「…行くんか?」









『うん、昨日社長に返事をしてきた。だから・・・。』



「別れ話なん?…。」


『・・、うん。』




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ESORA(プロフ) - マカロンさん» 返事が遅くなり申し訳ありません。すごく嬉しかったです!!一応来年の11月末まで続けるつもりだったので、もしよかったらこれかも見ていただけると嬉しいです。宜しくお願い致します。 (2018年12月16日 15時) (レス) id: 44dad9860d (このIDを非表示/違反報告)
マカロン(プロフ) - ESORAさん» すみません…夏とか勝手な事を…f(^_^;人には人のペースがありますよね!あまりにも作品が良すぎて、調子に乗って言ってるだけなので負担にならないといいのですが…。 体に気をつけてマイペースに活動を楽しんで下さい♪ (2018年12月8日 2時) (携帯から) (レス) id: d90a572a32 (このIDを非表示/違反報告)
ESORA(プロフ) - マカロンさん» コメントありがとうございます。夏の花までいけるように毎日少しずつではありますが更新したいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。 (2018年12月8日 2時) (レス) id: 44dad9860d (このIDを非表示/違反報告)
マカロン(プロフ) - こんばんは。素敵なお話ですね!私はお花も好きですし、ランペファンなのでより嬉しいです!夏の花言葉ストーリーも楽しみにしています^▽^無理をせずに頑張って下さい♪応援してます! (2018年12月7日 22時) (携帯から) (レス) id: d90a572a32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ESORA | 作成日時:2018年12月1日 22時

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