192)シウォンさん<You side> ページ42
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シウォン「少女趣味な妄想だな。」
A「すいません…」
会議室より随分と狭い応接室のソファーにこんなに大きな男の人達が座ると、まるで私が子供のようだった。
お茶を準備して部屋に戻ると、空いていたのはジェジュンの隣の席しかなくて躊躇していたら、ジェジュンが目で《ここに座れ》と合図していたから仕方なくそこに座る。
英語が完全に理解できない私でも、さっにシウォンさんが言ったことがこの撮影に乗り気ではない事はわかってしまって。
撮影前から主役とカメラマンを仲違いさせるなんてスタッフとして一番してはいけない事だから、そこは素直に謝った。
これでも仕事柄、気難しい相手の対応には慣れてるつもりだ。
それなのに。
ジェジュン「いいんです。俺がオーダーしたんですから。」
私の手をぎゅっと握ってジェジュンがそんな事を言うから、また空気がおかしくなる。
カン「今回のコンセプトをAさんにお願いしたのはこちらなんですよ。時間の無い中本当に申し訳なかったですね。Aさん。」
カンさんが助け船を出してくれたお陰で話しは収まった。
ジェジュンは釈然としていない様子だけれど。
チャンミン「撮影は屋外とスタジオになります。ジェジュンさんのスケジュールと天気を考慮すると、明日から早速屋外での撮影です。」
チャンミンが私の書いた絵コンテを２つ並べた。
[映画館] と [初詣]
私がジェジュンとしてみたかったことのうちのふたつ。
意味をわかっているチャンミンやカンさんの前であらためて言われると恥ずかしくてこの場から逃げたくなる。
シウォン「オーケー。時間と場所をメールしといて。じゃあな。」
そう言うとシウォンさんは立ち上がり、部屋を出ていってしまった。
慌てて立ち上がり見送りをしようとシウォンさんを追いかける。
A「チェ・シウォンさん！あの…このお仕事引き受けて下さってありがとうございました！気持ちよく撮影して頂けるように頑張りますので！」
豪華なホテルに似合わない大きな声を出した私を振り返って
シウォン「アイツがただのアイドルならこんな仕事受けたりしない。心配すんな。」
A「シウォンさん…」
シウォン「なぁ、お前さ。絵の勉強してたの？」
A「え？あの…」
シウォン「絵コンテにしては出来すぎだからさ。」
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作者名：mari
| 作成日時：2018年4月19日 23時
