【花より男子】花沢類の幼馴染 8 (男主)

類said ページ23

類「Aッ！」


Aが目の前で連れ去られた。
俺が守るって誓ったのにッ。


美「なんなんだよッ」


総「やべえって！誘拐か⁉」


美「警察に連絡してッ」


携帯を取り出したあきらの腕を掴むようにして、急にあらわれた男。


「お待ち下さい。私、A商事の秘書を務めております。日下部と申します」


美「は？なんでこんなとこに？」


「Aお坊ちゃんは、とある事情から旦那様の実家に呼び戻されたのでこのような状況に」


類「事情って、なに？」


「花沢様には関係のないことでございます。
これはA家の問題。口を挟むことはご遠慮頂きたい」


総「はぁ！？ダチが目の前でどっかに連れてかれたんだぞッ。あんなのおかしいじゃねーか！」


「俊明様は大変お怒りなのです。
A様は長男として、なさるべき事なさるために呼び戻されたのです」


総「なんだってんだ…司と牧野の件もやっと落ち着いてきたのに」


類「…まさか、お見合いとか？」


「……」


美「…まじかよ」


総「Aまでっ」


類「俺行ってくる」


「お待ち下さい。花沢様。…旦那様は全て知っております。花沢様とA様の御関係を」


類「なっ！」


総「それでお見合いかよ…」


「A様の人生を茨の道に進ませないでください」


類「あんたが考えてるのは、家のことだろ。
Aのことなんか何もわかっちゃいない」


「たとえ、A様がそう望んでいるとしても、世間は許しちゃくれませんよ。これはビジネスなのです」


類「あんた話になんねえわ。
もういいよ。俺は俺のやり方でAを取り戻すから」


「…無駄な事を。そう易々と貴方様を招き入れるような警備はしてませんよ」


総「…類、どーするつもりだよ」


秘書だという人物の姿が見えなくなるまで睨みつけた後、類が口をひらいた。


類「乗り込むしかないよな」


跡取り息子として望まない結婚もしょうがないと考えていた頃もあった。


でも、なんでかな。


今では抗えるものなら少しでも、抗おうと思う。
Aを手に入れるためなら、どんな事だってしてやる。


待っててね、A。
……そっと目を閉じ、きらめく指輪に口づけを。

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