慧眼と金塊 5

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鶴見から聞いた話は


衝撃的ではあったが
何故か腑に落ちてしまった


尾形が杉元とのっぺらぼうを撃った
その事実に差ほど驚かない自分がいた



ただ疑問が残る



なんで樺太へ？
アシリパと樺太に何か共通点でもあるのか？


ただこのことを鶴見に聞いても仕方がない


『杉元、生きてるんでしょ？
会わせてよ』


「そうしたいのは山々だが
まだ目が覚めてなくてね」




『・・・・』



こいつ、なんでそんな”嘘 ”をつくんだ
意味が分からない


私の慧眼は嘘を見抜く
私の目の前では嘘は通用しないのである



『・・・のっぺらぼうは
アシリパの父親だったのか？』



「詳しくは聞いていないが
谷垣一等卒から聞くに、そうだったそうだ」



なるほど




まてよ、じゃあ・・・



『のっぺらぼうはアシリパの目の前で撃たれたのか』


「・・・」



鶴見は何も言わなかった
ただ目を逸らすあたり図星なのだろう



アシリパは目の前で
父親であるのっぺらぼうを撃たれ
相棒である杉元も撃たれ……



なのになんで尾形と一緒に樺太へ行く？
・・・もしかして尾形が撃ったことを知らないのか？



『……はぁ』


過去に来てから
ため息をよく着いている気がする



目の前で父親を殺されたアシリパ
恐らく杉元も死んだと思っているだろう


『……鶴見は私に何をさせたいんだ
そんなことを話して…私を樺太へ行かせるのか？』


｢いや｣


鶴見はニッコリと笑って



｢君には宇佐美上等兵といてもらう｣



そう言うと
私からは呪霊について聞くことも無く
病室から出ていく




『誰だよ宇佐美って
うさぎさんかよ』


取り付けられた義手を
ギコギコと動かしてみるが上手くいかない



(これから、どうなるんだろう)




ｼﾞｸﾘ、と左手の刺青が傷んだ気がした

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