きっと、ぜったい、だいじょうぶ。ふぃふす。【榎i木l淳i弥】 (ページ35)

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「…まじで引っ越したの？」

知らんかった～とヘッドフォンを外しながら言う濱に苦笑いで答える。

「うんうん、実は前の家まだ契約中だからぼちぼち荷物の移動してて…って、細かい話はあとで。…ご飯とか…」

「ご飯行くのいいけど、撮影まだ続いてんだろ、大丈夫？」

そういえば知ってんだっけなーと目線が泳ぐ。それを見てかひとつため息をついてから口を開く。

「個室の和食料理屋、野菜メインのもある」

「…あっはは、さすが」

これでも同期だよ、と笑われてしまい、私も小さく笑う。ずっと隠してたんだよなーという後ろめたさが今になって湧いてきてしまった。情けない。

.

「…」

「ほんと、言わなかったことは謝る。信頼もしてるし、だからこそ、言い出すタイミングがわからなくって。榎木さんとも関係あるから、向こうからも何かあるかな、とかも勘ぐったりして。」

「…」

目の前の塩月がごめんなさいという感情しか乗っていない表情をするので、ふっと息を吐いてテーブルに肘を着く。

「…知ってた」

「……え」