Engage Ring. (ページ14)

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Aちゃんのお母さんに繋がった携帯を貰うと

相変わらず元気な声が聞こえた。

母「もしもし、廉くん？ありがとね？」

実は、上京をAちゃんに提案する前

Aちゃんのお母さんから連絡が来た。

Aちゃんの携帯から勝手に追加したらしく。

Aちゃんのお母さんは、

腑抜けになったAちゃんをすごく心配して

俺に助けを求めてくれた。

環境を変えてあげてほしいって。

俺の急な提案にも賛成してくれて

俺を頼りにしてくれて

一度お礼を言おうと思っていた矢先に

Aちゃんのお母さんの方から先に

お礼を言われてしまった。

『いや、お礼を言うのは僕の方です。』

母「えっ？」

『僕なんかまだまだ何の力も持ってないのに、

本当にありがとうございます。』

母「ううん。

廉くんはAにとって必要な人やと思うから。」

『なんでそんな…』

母「んー？母親の勘かな？笑」

『すげえ、、笑』

Aちゃんにとって、

東京に出てきたことは良かったのか。

ずっと自信を持たないでいた俺の気持ちを

スーッと楽にしてくれた。

母「だからってね、重く捉えないでほしくて」

『えっ？』

母「もしAに限界がきたと思ったら、

その時はスッと離れてくれて大丈夫やから。」

『僕は、、、Aさんのそばを離れないですよ。

責任持ってAさんのこと見てますから。

きっとこの先もずっと。

物理的に離れてしまったとしても、

Aさんのことを1番に想ってるのは、

僕でいたいんです。」

きっと、これが俺の本音やろうな。

そこまで深く考えたこともなかった

Aちゃんへの想い。

恋愛感情とか、そういうんじゃなくて

ただ純粋に

Aちゃんの人生を

1番近くで見守っていたい。

母「本当に、廉くん、、、

Aに出会ってくれてありがとう。」

こんなにも感謝されるのなんて初めてで

少し照れ臭かった。

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