100万回生きた俺。【ヒロアカ】 (ページ23)

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ヴィランに対するヒーローの存在ページ23

相「おいｯ！！馬鹿野郎！早く離れろ！！！」

相澤先生は、俺の背中に響くほどの怒鳴り声を上げた。

そんなに大きな声を出さなくても聞こえている。

例の髪の白いヴィランは、驚愕してきり何もしてこない。

『ハイハイ。相澤先生、なに一人で戦って満身創痍になっているんです？
…あ～ぁ、涙が止まらないんですけど…。』

俺は流れ始めて止まらなくなった涙を、少し恨めしく思った。

相「俺の治療なんかいい！ﾀﾋにたいのか！？」

相澤先生の怪我が、俺の涙に包まれて完治してゆく。

そんなに急がなくても、いいじゃないか。こっちは久しぶりのヴィランなんだ。

“後輩”にご挨拶だ。

俺は相澤先生に微笑んで、大丈夫と合図を送った。

それから、ヴィランの頬に手を添えた。

長い前髪を上げて顔をよく見た。

『久しぶり、ヴィラン界の使者さん。
バックにいる奴は誰かな？気になるなぁ。
ねぇ、教えてくれるか？』

ﾀﾋ「っ！？」

未だ流れ続ける“万斛の涙”が、そこら中に散って各エリアにいる生徒の傷を癒やしに行った。

俺は水筒に入れてきたアク○リアスを飲みながら、ヴィランに訪ねた。

ヴィランは俺の手を振り払い、距離を取った。

振り払われた手がパラパラと崩れ落ちた。

『あれ、逃げなくてもいいだろ？
しかも手を破壊するって…俺、そんなに怖かった？
普通に聞いたつもりなんだけどなぁ』

後輩に怖がられた。うわ、ちょっとショック。

お爺ちゃんを怖がるなよぉ。俺、かなり年配で情緒も安定しすぎるくらいだと思ったんだけどなぁ。

相「なっ、手が…っ、A！今すぐ逃げろ！」

俺の手は、すぐさま自分の涙によって完治していく。

『大丈夫、治りましたよ。』

傷一つない両手を先生に見せた。

それでも、相澤先生は余裕がなかった。説破詰まっている。

ﾀﾋ「…なんなんだ、お前…
お前だけ、違う次元にいるみたいに……分からない。分からない、分からない」

ヴィランはパニックになって自傷に走った。

しかし、万斛の涙はヴィランを治癒しようとはしなかった。

なるほど敵と味方の区別はつく個性らしい。

『違う次元、ねぇ。いや、俺にもさっぱり分からんよ。
ところで、ほら。さっきの質問の答えを聞きたくて仕方がないんだ。
早く、答えてくれないか？』

俺はゆっくりとヴィランに近づいた。

ｵｰﾙ「A少年、君は軽率すぎる」

オールマイトは突然現れて、一瞬にして俺をヴィランから遠ざけた。

教師面かい、ヒーローさん。