100万回生きた俺。【ヒロアカ】 (ページ3)

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最期の幕開けページ3

寒い。室温が低い。

フカフカのベッドの布団に包まった。

まだ眠い。早朝5：00だ。

母「Aーっ！起きなさぁーい！今日は転校初日なんだからねー！」

なにやら、下の階で女が叫んでいる。

別にどうでもいいが、俺に叫んでいるようだった。

今回の俺の名前は「A」か。ごく普通の名前だな。

俺はベッドから起きて、学習机に置いてあった制服に着替えた。

ワイシャツに赤いネクタイ、それとスラックスにブレザー、靴下、腕時計まで。

机上に無造作に置かれた学生鞄の中には、ノート1冊と筆記用具、ハンカチ、ティッシュ、生徒手帳、スマホが入っていた。

生徒手帳を開いてみた。

「国立雄英高校1学年
ヒーロー科A組出席番号21番
逢坂 A」

横には怠そうに写った証明写真が貼ってある。

短い茶髪でくせっ毛

灰色の眠そうな瞳

色白の肌に高い鼻筋

愛想笑いの一つも出来ていない表情

制服に着替え、鞄を持って、鏡の前に立つ。

少し大きめの制服で、袖が余っている。

160cmくらいの華奢で小柄な美少年、一見女に見えなくもない容姿だ。

『・・・うわ、視界が低いな。』

改めて部屋を見渡してみると、以前よりもかなり視界が低かった。

黒いシングルベッド

深緑のカーテンのある窓

勉強資料が整理された学習机

本棚の膨大な蔵書

白いタンス

黒い壁紙

木目のある床に深緑の絨毯

普通の電気

1代のエアコン

壁に飾られた家族の写真。母親と父親と俺が写っている。

シンプルで使いやすい部屋だ。

腕時計が5：30を示した。

俺は学生鞄を手に、1階のリビングへ向かった。

『…おはよう、母さん。』

母「おはよう、A。お父さんは、もう仕事に行ったよ
今日は会社に泊まるっていうから、御夕飯は外食にでも行こうね！」

灰色のストレートロングに灰色の瞳の綺麗な女性だった。

35歳くらいにはなっているはずだが、かなり若く見える。

俺の容姿から考えて、やっぱり母親は綺麗だな。

俺は、目と顔と背丈が母親似だ。

『わかった。…楽しみに、しておく。』

少しぎこちなかったか…？

俺は慎重に母親との話に合わせながら、朝食のトーストを食べた。

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

インターホンが鳴った。

母「はーい！あ、担任の相澤先生よ
Aを迎えにきてくれて…良かったわぁ、お世話になるんだから礼儀正しくね！」

『…ハイ。』

これが転校初日にして、第100万回目の人生の初日だ。

前途多難でしかない。