100万回生きた俺。【ヒロアカ】 (ページ14)

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最悪の幕開けページ14

1日が終わった。

放課後のチャイムが鳴ると同時に、皆はそれぞれ教室から出ていく。

緑谷の怪我と、爆豪の悔しそうな表情が思い出される。

緑谷と爆豪の間でしか、彼らが抱えている事を終わらせられないだろうことが…

少し、虚しかった。

母「ふふっ、一緒に出掛けるのなんて久しぶりね～A」

夕食を食べに、少し高級そうなレストランに連れられた。

母は心底嬉しそうに笑う。

対して俺は、第100万回目の人生の初日にいろいろな事が一度に起こりすぎて疲れていた。

今日の戦闘訓練での緑谷の結果も、爆豪の結果も、分かっていた。

が、いざそれを目の当たりにすると、幼い子供が辛い目に遭っているようにも見えた。

99万回も生きてきて、さすがに対等にはみれない。自分より数十万歳も年下の同級生なんて。

『・・・そう、だったかな』

母に空返事を返した。

母「…あら、A。元気ないわよ
学校で、何かあったの？転校初日だったから疲れたのね」

心配そうに俺を覗き込む母は、15の息子を育てる三十路半ばの母親には見えなかった。

美人すぎて、母親感がまったくない人だ。この人生での俺の身元引き受け人らしいが。

俺の父親も、よくこんな女性を見つけたな。

俺は、今日が人生初日であることを思い出しつつ、学校での出来事を思うのを辞めた。

俺が何を思ったところで、爆豪も緑谷もオールマイトも誰も変わらないからだ。

『えっ、あ、何もないって
疲れたけど、友達出来た。』

母は、ステーキを食べながら俺の話に耳を傾けた。

続きを促すように、俺を見ては微笑む。

『爆豪っていうんだ。俺の隣の席で、困ってると助けてくれる良い奴なんだ。
意地っ張りでプライドがエベレスト並だけど、優しくて気遣いのできる奴。』

それから爆豪が俺を助けてくれたことを詳しく話した

授業中、昼食

爆豪が隣の席にいること事態、俺にとっては子供が出来たみたいで楽しい

隣にいるのが爆豪じゃなかったとしても、俺は同じ感覚を抱いただろう

母「楽しそうで安心したわ！
お父さんの転勤で、転校続きの生活だから…少し不安だったのよ。
A、転校先の学校で毎回大変な思いをしていないかなって…」

母は心底安心したように、ステーキを頬張る。

俺は、目の前にあるパスタを食べた。

しょっぱいパスタが、まるで溢れそうだった爆豪の涙の味みたいだ。

『まさか。毎回、楽しんでる。』

安心しきって頬が緩む母を見て、爆豪も笑えばいいと思った。