出水の年上彼女 (ページ2)

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年下彼氏① ページ2

『ごめんね、公平』

「…」

何も言わずに俯く公平

どうしたらいいかわからなくて、公平の頭を撫でようと手を伸ばしたけど

公平は私の手を振り払って、正面から抱き着いてきた

背の小さい私は

公平の腕の中にすっぽりと収まる

『公平…もう会えないわけじゃないんだよ？所属が変わるだけ』

「わかってます…けど」

『？』

「一緒にいる時間が減るじゃないですか…」

一瞬、何を言われたのか分からなくて固まる

『…思ったよりもかわいい理由で安心した』

「はいっ！？」

公平は驚きのあまり、抱きしめていた私を離した

…もう少しそのままでよかったのに

「誰が可愛いって？」

あ、敬語とれた

『それはもちろん公平かな』

真顔で即答してやった

「真顔で言わないで下さいよ…」

『事実だからね』

複雑そうな顔の公平

『…はぁ』

私は今度こそ、公平の頭に手を伸ばして、その柔らかい髪に触れた

『…大丈夫だよ』

「？」

『確かに一緒にいる時間は減るかもしれないけど、公平が寂しいって言うなら、会いに行くから』

『あと、これ』

ずっとポケットに入れていたものを取り出し、渡す

「鍵…？」

公平は掌に載せられたそれを不思議そうに見つめた

『それ、私の家の鍵』

「！」

『転属決めた時から、渡そうと思ってたの』

『これで、いつでも会えるね』

公平が呆然としている隙に、今度は私から抱き着いた

「え、Aさん！？」

『…寂しがってるのは自分だけなんて思わないで』

「すいませんAさん」

『ん？』

「嬉しすぎて、にやけが止まんないです…」

『っそれは何より』

これが、半年前の話