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『(……なんか、いいなぁ)』
改まってそう感じることなどあまりないけれど、きっと空気が綺麗っていうのはこういうことを言うんだろう。
さっきはやはり自分も緊張していたようだ。落ち着いて立ち止まってみれば、ここは想像以上に綺麗な土地だった。
ぐるり、辺りに視線を巡らせる。
『……ぁ』
そこで気付いた。私、結構見られてんな。
王都からの客人がそれぞれの家に収まってほっと息を吐いたところに、どこぞの馬とも知れぬ小娘がまた顔を出した。
住民たちにとっては、そんな風な心境なのやも知れない。
思わず、深呼吸をやめる。
ちょっとだけ、ちょっとだけ散歩でもしてみようかなぁと思い立ったのだが、これは。
『(……やめた方がいいか)』
両者にとって悪い刺激になるのなら、大人しくしているほうが得策だ。
なんてったって、こっちには王族が居るのだ。どんな些細な諍いでも、あるよりないほうがいいに決まって――
「おや？ 君、外に出てどうかしたのかい」
『――！ ……っ、で、殿下！』
後ろからかけられた声に振り向いて、そこに立っていた人にぎょっとする。
すぐさま正面から退き頭を下げたが、ドクドクと鼓動が耳元でうるさかった。
『……申し訳ございません。すぐに気が付かず、道を塞いでおりました』
震えた声で謝罪をし、汗の滲み始めた手をぎゅっと握る。
はよ行ってくれぇー、お願いじゃあー。
しかし殿下は、すぐには見逃してはくれなかった。
「いや、それは構わないよ。ところで、ここで何をしていたんだい？」
失礼になるので顔は見れないが、おそらく本当に怒ってはいないんだろうなぁ、という声色である。
けれども私のような下位の令嬢が、彼と一対一で話す機会など本来ならゼロに等しいくらいで、とにかくこの状況は小心者の私にとってはひどく危機的だった。
『……はい。真に勝手ながら、村の様子を見てみたいと思いまして』
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
