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「―――？」
「―――……！」
話してる言葉は分からないけれど、その内容は難なく想像出来る。
きっとあれは。あの男の人、めっちゃカッコよくない？ ほんと、あれ王子様よ……！
――こーんな感じ。
分かる分かる。イケメンが――というか、爽やか王子がモテるのは万国共通ってことね。
第一王子殿下は、金髪碧眼というお約束ではないものの、柔らかい茶髪で甘いマスクのマジモンのイケメンさんだ。
頬を染めて可愛らしく身を寄せ合ってる女の子たちと――それを見て何とも歯痒い顔をしている男の子たちも含めて、あぁここも結局は変わらぬ世界なんだなと安心した。
と、私がにやにや含み笑いをしている視界の端で、とあるハプニングが起こった。
『……！』
あ、と微かに声が洩れる。
殿下に目を奪われていた女性同士が、互いに気付かないまま正面衝突。衝撃で、一方が持っていたカゴから赤い果実が一粒転がり落ちた。
視線で追うと、その赤は私の足元目がけて転がってくる。
おっ、と反射的に手を伸ばそうとしたところで、小さな影が飛び出した。
カゴを持っていた女性の足元にいた、幼い女の子だった。
『(……かーんわい)』
三歳か、四歳くらいだろうか。おそらく、そこらを走り回るのが楽しくて仕方がないとき。
そんな折に転がり落ちた赤い果実は、きっと彼女にとって格好の獲物で。
母親(たぶんそう)が呼び止めたのを振り切って、こちらに駆け寄ってきた。
そのあまりにも微笑ましいハンターのために、私はしゃがみこんで、拾い上げることなく果実をせき止める。
ハンターさんはどうやら私のことは眼中にないようで――まぁそれは別にいいんだけど、自分の足元も眼中になかったのがまずかった。
『……あっ！』
私が呑気にニヤついている目の前で、少女は段差に足をとられ、盛大にこけてしまったのだ。
『大丈夫！？』
咄嗟に果実を摘み上げて、あと一歩のところで地面に突っ伏した少女の元へ。
うぅ、と小さく呻きながら起き上がろうとするのを助け起こすと、案の定その幼い双眸は濡れていた。
――あっちゃー、こりゃあまずいぞ。
『びっくりしたねぇ、痛くない、痛くないよぉ』
赤くなったおでこを撫でさすり、暗示作戦に打って出る。
少女は、きょとんと見返してきた。……あっそうだ、通じないんだった。
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
