ep.13 ページ15
リヴァイ兵長が、どすのきいた声でエミリに尋ねる。
当然だ。
なぜなら、午後からの掃除をすっぽかしていたのだから。
そのことを今の今まで忘れたいた。
この人は綺麗好きで掃除の手を抜くことさえ許さない人で、掃除をサボるなんて絶対あってはならなかったのに。
まあそれ以前に、やるべきことを放棄してしまっていたのだから人として問題があるが。
(やらかさないよう、気をつけていたのに…)
だが、過ぎたことを苦やいていても仕方が無い。
「申し訳ありませんでした！」
私はこの人に謝ってばかりだな。
「俺は謝れとは言っていない。何をしていたのかと聞いている」
兵長の声がさらに低くなる。
「それは…」
「いや〜、すまないねリヴァイ！私が彼女を引き止めてしまっていたんだよ」
「お前が？」
「そう。私が」
私が言いよどんでいたところにハンジさんが入ってくれた。
兵長とハンジさんが互いを見ている。
兵長をハンジさんを睨み、ハンジさんは引きつった笑顔で応戦している。
「巨人のことでエミリに見せたいものがあって部屋に来てもらってたんだ。そうしたら話が弾んじゃって。今の今まで、ね」
ハンジさんがこちらを見てウィンクをした。
同意を求めいているようだった。
リヴァイ兵長もそれを見ていたので、私の方へ視線を移す。
「そうなのか？」
「は、はい！ハンジさんから巨人について色々とお話を聞かせていただきました！」
ただそれでも、サボったという事実は変わらないので相応の罰を課せられるのは覚悟した。
だが、兵長は何も言わない。
ただ私を睨み続けるだけだった。
またあの沈黙が続く。
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作者名：勾 | 作成日時：2019年2月7日 17時
